第17軍 (日本軍)

第17軍：ソロモン諸島での激戦と終焉

第17軍は、1942年（昭和17年）に大本営直属軍として新設された大日本帝国陸軍の軍です。太平洋戦争中、ソロモン諸島方面の作戦を担当しました。

編成と展開

1942年5月18日に編成された第17軍は、同年11月16日に第8方面軍の戦闘序列に編入され、ソロモン諸島方面の作戦を担うことになりました。当初はガダルカナル島への派遣が予定されていましたが、大本営陸軍参謀部の判断により同島からの撤退が決定。1943年初頭、第17軍はブーゲンビル島南部に進出しました。

タロキナの戦いと戦力喪失

1943年11月、連合国軍がタロキナ地区に上陸し飛行場を建設。これに対し、第17軍は第6師団を主力として飛行場奪取を試みますが、1944年3月の第二次タロキナ作戦を最後に組織的な軍事力を失ってしまいます。戦局はサイパン、レイテ島へと移り、連合国軍は積極的な攻勢には出ませんでしたが、ソロモン諸島に取り残された日本軍は補給を絶たれ、兵器、弾薬の不足、飢餓、疫病に苦しむことになりました。

終戦と降伏

1944年11月、オーストラリア軍が攻勢を開始し、ブイン地区に迫ると、第17軍は一時壊滅寸前まで追い込まれました。しかし、オーストラリア軍の進軍が止まった直後に終戦を迎えたため、体面上は任務を完遂した形となりました。1945年9月、第17軍はオーストラリア軍のタロキナ基地で降伏文書に調印し、ファウロ島に収容されました。

軍概要

歴代司令官

百武晴吉 中将（陸士21期）：1942年5月5日 - 1945年4月1日
神田正種 中将（陸士23期）：1945年4月1日 - 終戦

歴代参謀長

二見秋三郎 少将（陸士28期）：1942年5月5日 - 1942年10月1日
宮崎周一 少将（陸士28期）：1942年10月1日 - 1943年5月11日
秋永月三 少将（陸士27期）：1943年5月11日 - 1943年9月11日
秋永力 少将（陸士28期）：1943年9月11日 - 1945年4月1日
真方勲 少将（陸士32期）：1945年4月1日 - 終戦

最終司令部構成

司令官：神田正種 中将
参謀長：真方勲 少将
高級参謀：田巻和吉 大佐
高級副官：瀧口松五郎 少佐
兵器部長：知久八万 少将
経理部長：室田五郎 主計大佐
軍医部長：兼子周吉 軍医少将

最終所属部隊

第6師団
独立混成第38旅団
南海第4守備隊：道下義行 少将（最終位置：ブーゲンビル島）
南海第4守備隊第1大隊：浅野俊男 中佐
南海第4守備隊第2大隊：内田賢七 中佐
南海第4守備隊第3大隊：税所秀雄 少佐
砲兵・防空部隊
野戦重砲兵第4連隊：竹花保 大佐
野戦高射砲第38大隊：中村泰三 中佐
野戦高射砲第59大隊：吉岡丈男 中佐
工兵・通信部隊
独立工兵第19連隊：岩仲広知 大佐
船舶工兵第2連隊：祝不二夫 中佐
電信第32連隊：木村康雄 中佐
兵站部隊
第76兵站病院：松尾善吉 軍医少佐
第94兵站病院：堀江義久 軍医中佐
第17防疫給水部：森茂樹 軍医少佐

関連項目

近代陸軍の編制
ブーゲンビル島の戦い

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