第18師団 (日本軍)

第18師団

第18師団は、大日本帝国陸軍の師団の一つであり、二度にわたり編成されました。

第一次編成 (1907年 - 1925年)

創設と青島攻略戦

日露戦争後の戦力増強策として、1907年（明治40年）11月に第17師団と共に創設されました。同年12月5日に久留米市に師団司令部が開庁。第一次世界大戦では、第18師団を基幹とする独立第18師団が編成され、青島攻略戦に参加し、1914年11月14日に青島を占領しました。

組織改編と軍縮

1918年10月3日には、兵器部が師団司令部内に移転。しかし、第一次世界大戦やシベリア出兵による戦費の増大を受け、1925年の宇垣[[軍縮]]によって、第13・第15・第17師団と共に廃止されました。

歴代師団長

• - 木村有恒 中将：1907年11月13日 - 1910年11月30日
• - 大迫尚道 中将：1910年11月30日 - 1912年12月26日
• - 神尾光臣 中将：1912年12月26日 - 1914年11月26日
• - 斎藤力三郎 中将：1914年11月26日 - 1915年5月26日（死去）
• - 柴勝三郎 中将：1915年6月4日 - 1919年7月25日
• - 高山公通 中将：1919年7月25日 - 1922年8月15日
• - 金谷範三 中将：1922年8月15日 - 1925年5月1日（廃止）

歴代参謀長

• - 宇宿行輔 歩兵大佐：1907年11月13日 - 1909年11月30日
• - 古海厳潮 歩兵大佐：1909年11月30日 - 1912年4月1日
• - 柴豊彦 歩兵大佐：1912年4月1日 - 1912年12月10日
• - 斎藤季治郎 歩兵大佐：1912年12月10日 - 1913年8月22日
• - 磯村年 砲兵大佐：1913年8月22日 - 1916年4月10日
• - 東正彦 歩兵大佐：1916年4月10日 - 1918年7月24日
• - 磯部昌朔 歩兵大佐：1918年7月24日- 1919年7月25日
• - 渡辺金造 歩兵大佐：1919年7月25日 - 1922年8月15日
• - 有地了介 歩兵大佐：1922年8月15日 - 1925年5月1日

最終所属部隊

• - 歩兵第23旅団

- 歩兵第46連隊（大村）
- 歩兵第55連隊（佐賀）

• - 歩兵第24旅団

- 歩兵第48連隊（久留米）
- 歩兵第56連隊（久留米）

• - 騎兵第22連隊
• - 野砲兵第24連隊
• - 独立山砲兵3連隊
• - 工兵第18大隊
• - 飛行第4大隊
• - 輜重兵第18大隊

第二次編成 (1937年 - 1945年)

日中戦争

日中戦争の勃発に伴い、1937年（昭和12年）9月9日に、留守第12師団担当で四単位編制の特設師団として再編成されました。第二次上海事変では、第10軍に編入され、杭州湾に上陸、中国軍の背後を攻撃しました。その後、南京攻略戦に参加。第10軍廃止後は中支那派遣軍に編入され、占領地の警備と治安維持に当たりました。1938年9月12日には第21軍戦闘序列に編入され、広東作戦に参加しました。

太平洋戦争

1941年（昭和16年）、南方作戦に転用され、第25軍に編入。マレー作戦、シンガポール攻略戦に従事しました。シンガポール陥落後は第15軍に移り、ビルマ攻略戦に参加しました。1943年10月からは、フーコン河谷で新編中国軍と交戦し、甚大な損害を受けました。

川口支隊

1941年11月、歩兵第35旅団司令部と歩兵第124連隊を基幹とする川口支隊が編成され、フィリピン戦やガダルカナル戦に参加しました。その後、川口支隊は1943年3月に第31師団に転用され、第18師団は三単位編制に改編されました。

歴代師団長

• - 牛島貞雄 中将：1937年9月11日 - 1938年7月15日
• - 久納誠一 中将：1938年7月15日 - 1940年2月10日
• - 百武晴吉 中将：1940年2月10日 - 1941年4月10日
• - 牟田口廉也 中将：1941年4月10日 - 1943年3月18日
• - 田中新一 中将：1943年3月18日 - 1944年9月22日
• - 中永太郎 中将：1944年9月22日 - 終戦

歴代参謀長

• - 小藤恵 予備役歩兵大佐：1937年9月11日 - 1939年2月5日
• - 芳村正義 歩兵大佐：1939年2月5日 - 1939年9月1日
• - 武田寿 歩兵大佐：1939年9月1日 - 1942年12月10日
• - 横山明 大佐：1942年12月10日 - 1943年6月28日（戦死）
• - 大越兼二 中佐：1943年7月1日 - 1944年9月1日
• - 白崎嘉明 大佐：1944年9月1日 - 終戦

最終司令部構成

• - 師団長：中永太郎 中将
• - 参謀長：白崎嘉明 大佐
• - 作戦参謀：三橋泰夫 少佐
• - 参謀：鈴木重直 少佐
• - 参謀：正宝治平 少佐
• - 高級副官：猪瀬重雄 少佐
• - 経理部長：木村烝逸 主計大佐
• - 軍医部長：大橋要人 軍医大佐
• - 獣医部長：佐々木孝仕 獣医中佐

最終所属部隊

• - 歩兵第55連隊（大村）：山崎四郎 大佐
• - 歩兵第56連隊（久留米）：佐藤又三郎 大佐
• - 歩兵第114連隊（福岡）：大塚宏 大佐
• - 山砲兵第18連隊：江口太郎 大佐、後任：松川信正 大佐
• - 工兵第12連隊：井上義一郎 中佐
• - 輜重兵第12連隊：水谷虎吉 中佐
• - 第18師団第1通信隊：山崎達男 大尉
• - 第18師団第2通信隊：土生洋平 少佐
• - 第18師団衛生隊：小倉弘成 中佐
• - 第18師団第1野戦病院：鈴木行雄 少佐
• - 第18師団第2野戦病院：荻生謙修 少佐
• - 第18師団第3野戦病院：佐藤進 少佐
• - 第18師団第4野戦病院：原田大六 少佐
• - 第18師団防疫給水部：尾能吉一 少佐
• - 第18師団病馬廠：安梅寿永 少佐
• - 第18師団編合

- 独立速射砲第13大隊
- 野戦重砲兵第21大隊

ビルマ戦線における壊滅的な損害

ビルマ戦線では、補給の途絶や病気により多数の戦病死者を出し、参加兵力31,444名に対し、20,000名以上が戦死するという壊滅的な損害を受けました。

脚注

参考文献

• - 外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年。
• - 秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
• - 福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。
• - 外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。

関連項目

• - 大日本帝国陸軍師団一覧
• - 火野葦平 - 従軍記者としてビルマ戦線を戦う第18師団司令部を訪問した

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