第2特科団

第2特科団について

第2特科団は、陸上自衛隊西部方面隊の直轄部隊であり、大分県由布市の湯布院駐屯地に司令部を置いています。この部隊は、野戦特科部隊として、西部方面隊における火力支援の中核を担っています。

概要

第2特科団は、155mmりゅう弾砲FH70や19式装輪自走155mmりゅう弾砲、12式地対艦誘導弾などの高度な装備を運用し、戦術レベルから戦略レベルまで幅広い任務に対応します。具体的には、師団や旅団隷下の戦闘団への特科大隊配属による火力支援、対砲迫戦といった戦術的な任務から、方面隊全体の火力支援、縦深地域への火力制圧、さらには上陸を企図する海上目標の撃破といった戦略的な任務まで、その活動範囲は多岐にわたります。

第2特科団は、北部[[方面隊]]の第1特科団と同様に、陸将補が指揮官を務める「団」編成をとっており、3個連隊を基幹とする部隊です。これにより、西部方面隊の野戦特科部隊を一元的に管理し、指揮・運用を行うことが可能となっています。

沿革

第2特科団の歴史は、1954年に編成された第3特科群に遡ります。以下に、その主な変遷をまとめました。

第3特科群時代

1954年：久留米駐屯地で編成され、その後、前川原駐屯地へ移駐。
1957年：別府駐屯地に移駐。
1977年：湯布院駐屯地へ移駐。
1992年：第112特科大隊が203mm自走榴弾砲へ装備転換。
1996年：第111特科大隊を廃止し、第128特科大隊（75式130mm自走多連装ロケット弾発射機装備）を新編。
2002年：第128特科大隊を廃止し、第132特科大隊（多連装ロケットシステム装備）を新編。

西部方面特科隊時代

2003年：第3特科群と第5地対艦ミサイル連隊を統合し、西部方面特科隊を新編。
2017年：第112特科大隊に120mm迫撃砲RTを配備。
2018年：第112特科大隊を廃止し、水陸機動団特科大隊に改編。
2019年：西部方面特科連隊（旧第8特科連隊）を編入し、第4特科連隊の一部を統合。
2019年～2023年：第5地対艦ミサイル連隊隷下に独立地対艦ミサイル中隊を4個編成・配置。
2023年：第132特科大隊を縮小し、第301多連装ロケット中隊を新編、第302観測中隊を廃止。

第2特科団時代

2024年：西部方面特科隊を改編し、第2特科団を新編。
2024年：第7地対艦ミサイル連隊を新編し、隷下に編入。
2025年：第8地対艦ミサイル連隊（仮称）の新編を予定。

部隊編成

第2特科団は、以下の部隊で構成されています。

西部方面特科連隊
第5地対艦ミサイル連隊
第7地対艦ミサイル連隊
第301多連装ロケット中隊
第2特科団本部中隊

装備

第2特科団の主要装備は以下の通りです。

19式装輪自走155mmりゅう弾砲
155mmりゅう弾砲FH70
12式地対艦誘導弾
多連装ロケットシステムMLRS
82式指揮通信車
96式装輪装甲車
* 各種トラック、小銃、無反動砲など

特記事項

第2特科団は、今後も装備の近代化を進め、防衛力の強化に貢献していく予定です。特に、島嶼防衛用高速滑空弾の導入や、第8地対艦ミサイル連隊の新編により、南西諸島における防衛体制がより一層強化されることが期待されます。

また、災害派遣においても重要な役割を担っており、大分県隊区の指定部隊長として、大分県知事からの災害派遣要請の受理や、県庁への情報幹部の派遣を行っています。

まとめ

第2特科団は、西部方面隊における火力の中核として、重要な役割を担っています。その歴史は長く、数々の変遷を経て現在の体制に至っています。今後も、装備の近代化や部隊の再編を通じて、日本の防衛に貢献していくことが期待されます。

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