第55師団 (日本軍)

第55師団（楯師団）

第55師団は、1940年7月10日に香川県善通寺で編成された大日本帝国陸軍の師団です。四国4県を徴兵区とする常設師団として、留守第11師団を基幹に編成されました。通称は「楯師団」です。

沿革

1940年8月、常設師団の8個師団が満州に永久駐屯することになったため、その代替として第51師団から第57師団までの6個師団が編成されました。第55師団は善通寺師管を管轄し、師団出征後は留守第55師団が管区業務を引き継ぎました。1945年4月1日に善通寺師管が善通寺師管区に改称されると、留守第55師団司令部は善通寺師管区司令部となり、同年6月22日には四国軍管区司令部へとさらに改称されました。

師団は当初、善通寺に駐屯し中部軍に所属していましたが、太平洋戦争開戦に伴い第15軍に属し、ビルマ戦線に投入されました。第一次アキャブ作戦では大きな戦果を挙げましたが、1944年1月からの第二次アキャブ作戦では敗退し、イラワジ河へ後退しました。その後、第38軍隷下となり仏印へ移動し、プノンペン付近で終戦を迎えました。

南海支隊

1941年11月15日、第55歩兵団司令部などを基幹に、堀井富太郎少将を長とする南海支隊が編成されました。南海支隊は、グアム島攻略やラバウル攻略に従事した後、ポートモレスビー作戦を担当することになりました。ポートモレスビー作戦には、第5師団から歩兵第41連隊、マレー作戦に投入された独立工兵第15連隊も追加配属されました。

1942年8月、支隊主力はニューギニア島ブナ地区のバサブアに上陸し、ポートモレスビーを目指しました。同年9月にはポートモレスビーまで約50キロのイオリバイワを占領しましたが、補給が途絶えたため撤退。米豪軍の反撃により壊滅的な損害を被りました。1943年11月、約200名の生存者が第55師団に復帰しました。

師団概要

歴代師団長

永見俊徳 中将：1940年8月1日 - 1940年12月2日
石本寅三 中将：1940年12月2日 - 1941年3月13日（死去）
竹内寛 中将：1941年4月1日 - 1942年12月1日
古閑健 中将：1942年12月1日 - 1943年10月23日
花谷正 中将：1943年10月23日 - 1945年7月9日
佐久間亮三 中将：1945年7月9日 - 終戦

参謀長

加藤源之助 騎兵大佐：1940年8月1日 - 1942年3月28日
久保宗治 大佐：1942年3月28日 - 1943年12月22日
河村弁治 大佐：1943年12月22日 - 1944年10月14日
小尾哲三 大佐：1944年10月14日 - 1945年6月19日
斎藤弘夫 中佐：1945年7月13日 - 終戦

最終所属部隊

歩兵第112連隊（丸亀）：古谷朔郎大佐
歩兵第143連隊（徳島）：木村雄二郎大佐
歩兵第144連隊（高知）：吉田章雄大佐
騎兵第55連隊：杉本泰雄大佐
山砲兵第55連隊：井上義幸大佐
工兵第55連隊：村山誠一中佐
輜重兵第55連隊：八木達夫少佐
第55師団通信隊：河村律三郎少佐
第55師団兵器勤務隊：伊藤正雄大尉
第55師団衛生隊：内山万蔵中佐
第55師団第1野戦病院：小野彰少佐
第55師団第2野戦病院：瀧沢寿朗少佐
第55師団第4野戦病院：都甲元二少佐
第55師団病馬廠：宮沢正憲中尉
第55師団防疫給水部：藤岡勇少佐

参考文献

秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。
『別冊歴史読本 戦記シリーズNo.32 太平洋戦争師団戦史』、新人物往来社、1996年。
『元陸軍少将桜井徳太郎陣中日誌 ビルマ 第55師団歩兵団長 楯師団 四国 善通寺』、1981年。

関連項目

大日本帝国陸軍師団一覧

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