第7施設大隊

陸上自衛隊第7施設大隊：北海道の機甲師団を支える施設部隊

第7施設大隊（JGSDF 7th Engineer Battalion(Combat)）は、陸上自衛隊第7師団隷下の施設科部隊で、北海道千歳市の東千歳駐屯地に拠点を置いています。この部隊は、師団隷下部隊に対する施設作業全般を担っており、その任務遂行能力は、部隊の機動性や戦闘能力を大きく左右します。特筆すべき点として、施設大隊長は第7師団司令部の施設課長を兼務しており、部隊と師団司令部との連携が密接に行われていることが伺えます。

沿革

第7施設大隊の歴史は、陸上自衛隊の変遷とともに変化してきました。以下にその主な沿革を記します。

第7混成団第7施設大隊時代

1955年（昭和31年）1月25日：第7混成団の編成に伴い、南恵庭駐屯地で第7施設大隊が編成されました。その後、真駒内駐屯地へ移駐しています。
1961年（昭和36年）2月28日：第7混成団が機械化部隊へと改編されたことに伴い、第3施設中隊が新たに編成されました。
1962年（昭和37年）1月18日：第7施設大隊は、真駒内駐屯地から現在の東千歳駐屯地へ移駐しました。

第7師団第7施設大隊時代

1962年（昭和37年）8月15日：第7混成団が第7師団に改編されたことに伴い、大隊の給水班は第7補給隊へと編成替えが行われました。
1963年（昭和38年）8月：60式装甲車が装備されました。同年12月には、戦車橋（試作品）および雪上車が装備に加わりました。
1979年（昭和53年）4月：75式ドーザが配備され、装備の近代化が進められました。
1981年（昭和56年）3月25日：機甲師団への改編に伴い、第4施設中隊が新編されました。同時に、攻撃支援小隊が廃止され、衛生小隊は衛生班に改編されました。
1995年（平成07年）1月：91式戦車橋が装備され、機動性が向上しました。同年3月には、92式地雷原処理車が配備され、地雷処理能力が強化されました。
2000年（平成12年）3月28日：交通小隊と軽架橋小隊が新編されました。また、第4施設中隊がコア化された一方、後方支援体制の変換に伴い、整備部門は第7後方支援連隊第1整備大隊施設整備隊へ移管されました。
2005年（平成17年）3月：施設作業車が装備され、作業効率が向上しました。
2014年（平成26年）3月26日：師団改編に伴い、コア化されていた第4施設中隊がフル化されました。
2016年（平成28年）2月：07式機動支援橋が装備され、渡河能力が強化されました。

部隊編成

第7施設大隊は、以下の部隊で構成されています。

第7施設大隊本部
本部管理中隊「7施-本」
中隊本部：82式指揮通信車
通信小隊
交通小隊
軽架橋小隊：07式機動支援橋
補給小隊
偵察班
衛生班：1トン半救急車
第1施設中隊「7施-1」：73式装甲車、92式地雷原処理車
第2施設中隊「7施-2」：73式装甲車、92式地雷原処理車
第3施設中隊「7施-3」：73式装甲車、92式地雷原処理車
第4施設中隊「7施-4」：73式装甲車、92式地雷原処理車
整備支援部隊
第7後方支援連隊第1整備大隊施設整備隊「7後支-1整-施」（東千歳駐屯地）：2000年（平成12年）3月28日から

主要装備

第7施設大隊は、多様な任務に対応するため、様々な装備を保有しています。その主なものを以下に示します。

装甲車両：73式装甲車
地雷処理：92式地雷原処理車、70式地雷原爆破装置、89式地雷原探知機セット
作業車両：施設作業車、中型ドーザ、大型ドーザ、グレーダ、掩体掘削機、資材運搬車、バケットローダ、トラッククレーン
橋梁：91式戦車橋、軽徒橋、パネル橋MGB、92式浮橋、07式機動支援橋
輸送車両：1/2tトラック / 73式小型トラック、1 1/2tトラック / 73式中型トラック、3 1/2tトラック / 73式大型トラック、7tトラック / 74式特大型トラック
* 火器：89式5.56mm小銃、5.56mm機関銃MINIMI、12.7mm重機関銃M2、84mm無反動砲、110mm個人携帯対戦車弾

まとめ

第7施設大隊は、北海道の防衛を担う第7師団の重要な一翼を担う部隊です。施設作業を通じて師団の機動性、戦闘能力を支え、また災害時には人命救助や復旧活動にも従事します。その歴史は、技術の進歩とともに、装備の近代化を遂げてきた歴史でもあります。これからも、第7施設大隊は、最新の装備と技術を駆使し、北海道の防衛に貢献していくでしょう。

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