管弦楽のためのラプソディ

管弦楽のためのラプソディ

「管弦楽のためのラプソディ」は、日本の作曲家、外山雄三によって作曲された管弦楽曲です。この作品は、外山自身も指揮者を務めるNHK交響楽団の海外演奏旅行のために作曲され、1960年7月に岩城宏之指揮、NHK交響楽団によって初演されました。

作曲の背景

この楽曲は、日本の民謡を素材としており、和太鼓、チャンチキ、ボンゴなど、日本の伝統的な打楽器が効果的に使用されているのが特徴です。初演時の演奏時間は約22分でしたが、リハーサル中に指揮者の岩城宏之によって大幅にカットされ、現在の約7分という演奏時間になりました。外山自身は当初このカットを不本意に感じていたものの、後に「あのカットのおかげで、この曲はある意味では大ヒット作品になった」と語ったとされています。この楽曲は2001年に改訂されています。

楽器編成

この楽曲は、以下の楽器で演奏されます。

フルート3（ピッコロ2持ち替え）
オーボエ2
クラリネット2
ファゴット2
ホルン4
トランペット3
トロンボーン3
チューバ
ティンパニ
拍子木
鐘
うちわ太鼓
締太鼓
ウッドブロック
大太鼓
ボンゴ
チャンチキ
鈴
長太鼓
ハープ
* 弦五部

楽曲構成

「管弦楽のためのラプソディ」は、「急-緩-急」の三部形式で構成されており、具体的には前奏 - A（Allegro vivo） - B（Adagio） - C（Allegro energico） - コーダという構造を持っています。

1. 前奏: 拍子木が特徴的な前奏で、楽曲が始まります。
2. A（Allegro vivo）: 『あんたがたどこさ』を主旋律とし、対旋律として『ソーラン節』が奏でられます。さらに、『炭坑節』や『串本節』など、日本の様々な民謡の旋律が次々と現れ、盛り上がりを見せます。
3. B（Adagio）: 一旦静まり、鈴の音に続いてフルートが『信濃追分』の静かなメロディーを奏でます。
4. C（Allegro energico）: 鈴の弱奏の後、拍子木が静寂を破り、『八木節』の旋律が現れ、再び盛り上がりをみせます。
5. コーダ: ハープのグリッサンドによってクライマックスを迎え、速いリズムによる総奏で曲が締めくくられます。

その他

この楽曲は、藤田玄播によって吹奏楽版に編曲されており、音楽之友社から出版されています。

「管弦楽のためのラプソディ」は、日本の民謡を巧みに取り入れ、オーケストラの多彩な音色を活かした、エネルギッシュで魅力的な作品です。

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