篠栗駅

福岡県糟屋郡篠栗町の中央一丁目、町の行政や商業の中心部に位置する鉄道駅です。九州旅客鉄道（JR九州）が運営する篠栗線に属しており、この路線は「福北ゆたか線」の愛称で親しまれています。当駅には「JC06」の駅番号が付与されています。地域の交通網において重要な役割を担っており、通勤・通学など日々の移動に広く利用されています。停車する列車は普通列車と快速列車で、特急列車は通過します。

歴史

篠栗駅は、1904年（明治37年）6月19日に、現在のJR九州の前身の一つである私設鉄道会社、九州鉄道（初代）によって開設されました。その後、1907年（明治40年）7月1日には、鉄道国有法に基づいて国有化され、帝国鉄道庁の管理下に置かれることとなります。

篠栗線が全線開通を果たしたのは、当駅と桂川駅の間が結ばれた1968年（昭和43年）5月25日のことです。これにより、博多方面と筑豊方面を結ぶ鉄道ネットワークが強化されました。過去には、1970年（昭和45年）4月15日に特定の企業への専用線が設けられた時期もありました。

駅の施設面では、1987年（昭和62年）3月23日に、特徴的なトンガリ屋根を持つ現在の駅舎が完成し、駅の玄関口としての装いを新たにしました。そのわずか数日後の同年4月1日には、国鉄の分割民営化に伴い、九州旅客鉄道（JR九州）の駅として運営が引き継がれました。

2000年代に入り、利用者の利便性向上に向けた設備投資が進められます。2000年（平成12年）11月7日には自動改札機が導入され、スムーズな乗降が可能となりました。ICカード乗車券の普及にも対応し、2009年（平成21年）3月1日からはJR九州独自のICカード「SUGOCA」および相互利用可能な他のICカードが利用できるようになりました。さらに、駅構内のバリアフリー化の一環として、2010年（平成22年）にはエレベーターが設置されています。駅の所在地表記については、2019年（令和元年）11月2日に実施された住居表示に伴い、現在の表記に変更されています。

駅構造

篠栗駅は地上に線路とホームが配置された地上駅で、合計2面3線のホームを有しています。駅舎に直接面しているホームが1面1線（1番のりば）、その向かいに位置するのが線路を挟んだ島式ホーム1面2線（2番のりば、3番のりば）という配置です。

ホーム上には自動放送設備が備わっており、列車接近時などに案内が行われます。各ホームは以下のような列車が主に利用します。

1番のりば: 主に下り方面、長者原・博多方面へ向かう列車が発着します。
2番のりば: 主に上り方面、城戸南蔵院前・新飯塚方面へ向かう列車が発着します。
3番のりば: 当駅を始発とする列車が使用するほか、一部の上り新飯塚方面行きの列車も発着します。特に日中時間帯には、上り方面の列車の多くがこのホームを使用します。3番のりばは、列車の進行方向にかかわらず、両方向から入線・出発が可能な構造となっています。

駅舎から島式ホームへは、跨線橋を利用して移動します。駅舎は南側、下り列車進行方向の左手にあり、比較的小規模な建物です。

駅の運営は、JR九州の子会社であるJR九州サービスサポートが業務を受託している業務委託駅です。駅舎内には「みどりの窓口」が設置されており、乗車券や特急券などの購入が可能です。また、自動改札機が設置されており、SUGOCAをはじめとする各種交通系ICカードでの乗降に対応しています。

利用状況

篠栗駅は、篠栗町の中心駅として多くの利用があります。過去のデータでは、2011年度の1日平均乗降人員が10,492人を記録しています。

近年では、2023年度における1日平均乗車人員が4,892人となっており、これはJR九州管内に多数ある駅の中で第40位に位置する利用者数です。この数字は、当駅が地域における通勤・通学、そして生活の足として、現在も重要な役割を果たしていることを示しています。

駅周辺

篠栗駅の周辺は、篠栗町の行政や商業の中心地として機能しています。駅のすぐ近くには篠栗町役場があり、各種手続きなどが便利です。駅の南側、約100メートルほどの場所を県道607号線が篠栗線に沿うように通っており、この県道と駅を中心に商店や飲食店が集まる商店街が形成されています。

駅舎側から線路を挟んだ反対側の駅裏側へは、駅に近接して設置された歩道橋を利用してアクセスが可能です。この駅裏側では、現在新たな住宅地の開発が進められており、今後も人口の増加が見込まれます。

駅周辺には、篠栗町立図書館、文化・交流施設であるクリエイト篠栗、保健・福祉施設であるオアシス篠栗といった公共施設のほか、篠栗郵便局、篠栗病院、福岡銀行篠栗支店などの金融機関や医療機関、さらには歴史のある枡屋旅館、物流拠点である日本生協連篠栗冷蔵流通センターなどが立地しており、生活に必要な機能が充実しています。

バス路線

篠栗駅からは、複数のバス路線が利用でき、周辺地域や福岡市方面へのアクセス手段となっています。駅の正面を出て県道607号線沿いには、西日本鉄道（西鉄バス）の「篠栗」バス停があり、福岡市方面などへの一般路線バスが発着しています。

また、篠栗町が運営する無料のコミュニティバス、「オアシス篠栗巡回バス」も運行されています。このバスは、駅正面の役場前に「篠栗町役場前」バス停が、駅裏側のオアシス篠栗前に「オアシス篠栗」バス停がそれぞれ設けられており、町内の主要施設への移動をサポートしています。

さらに、隣接する久山町が運行するコミュニティバスである「イコバス」も、駅裏側の「篠栗駅前」バス停に乗り入れており、久山町方面へのアクセスも可能です。

隣の駅

九州旅客鉄道（JR九州）福北ゆたか線（篠栗線）

快速: （日中時間帯の快速列車は門松駅方面が各駅停車となるため、停車駅の並びが通常と異なります）
城戸南蔵院前駅 (JC08) - 篠栗駅 (JC06) - 長者原駅 (JC04)
※ただし、日中時間帯に運行される快速列車は、長者原駅の代わりに門松駅 (JC05) に停車します。
普通:
筑前山手駅 (JC07) - 篠栗駅 (JC06) - 門松駅 (JC05)

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