米村末喜

米村末喜について

米村末喜（よねむら すえき、1879年3月13日 - 1941年12月27日）は、日本の海軍軍人であり、最終的な階級は海軍中将であった。彼は航海術の権威として知られ、海軍内で「航海の神様」と称される存在であった。

人物・来歴

米村は熊本県飽託郡天明町（現・熊本市）で生まれ、1901年に海軍兵学校を卒業した。彼の卒業は29期で、125名の中で39番目の成績であった。同期生には、後に海軍大将となる米内光政や高橋三吉、藤田尚徳がいた。彼は、艦艇の乗組員としてキャリアをスタートし、日露戦争では特務艦隊旗艦「台中丸」の分隊長として従軍、また日本海海戦では「愛媛丸」の指揮官として活動した。

戦後は水雷術に精通し、その後航海に専念する士官としての道を歩み始めた。海軍大学校（海大）で高度な学びを受け、数多くの艦の航海長を務め、交替で2度海軍兵学校教官や海大教官として指導を行った。また、第一次世界大戦時には「浅間」の航海長としてドイツ艦隊の捜索任務を担った。

1920年には大佐に昇進し、練習艦隊で艦長を務めながら、候補生の教育にあたった。彼は親しい同期の米内光政と共に遠洋航海を行い、候補生への指導に熱心に取り組んだ。この時、立ち向かう課題を乗り越えるための指導方法が印象に残った候補生に感銘を与えた。

その後、米村は1925年に少将へ昇進し、航海科の頂点に立つ水路部長に任命され、国際水路会議に政府代表として出席。彼の間に、海軍の航海技術と思想を広めることにも尽力し、1927年には一般国民向けに『航海の話』を執筆した。1930年には中将に昇進し、予備役に編入され、戦後は兵器製造企業の役員として活躍した。

彼の業績

米村は海軍内で用いられる操艦に関する「操艦十則」を創作し、その言葉は今もなお多くの海軍士官に受け継がれている。彼が指導した艦には防護巡洋艦や戦艦など多岐にわたり、特に「浅間」艦長としての功績は顕著である。

栄典

彼は生涯にわたり、多くの栄典を受けている。1903年に正八位、1904年には従七位、1905年には正七位に叙せられ、その後もさまざまな位階が与えられた。特に、1929年には勲二等瑞宝章を授与された。

結論

米村末喜の生涯は、当時の日本海軍における航海術の発展に大きく寄与した人物を象徴している。彼の業績は、日本海軍の歴史において重要な位置を占めている。

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