粟皇子神社

粟皇子神社（あわみこじんじゃ）

粟皇子神社は、伊勢神宮皇大神宮（内宮）の摂社であり、内宮の摂社27社のうち第19位に位置します。風光明媚な池の浦に面した岬に鎮座し、海岸の守護神として古くから人々の信仰を集めています。

概要

所在地：三重県伊勢市二見町松下字鳥取1687-2

池の浦海水浴場にほど近く、伊勢神宮を構成する125社のうち、最も海岸に近い場所にあります。社地の面積は約419.8平方メートルです。

祭神は須佐乃乎命御玉道主命（すさのおのみことのみたまのみちぬしのみこと）で、天照大御神と須佐乃乎命の誓約によって生まれた女神とされ、海岸鎮守の神として祀られています。別名を淡海子神（あわみこのかみ）とも称します。この女神は、記紀によれば本来は宗像三女神を指すとも言われていますが、諸説あります。

歴史

粟皇子神社は、伊勢神宮の摂社の定義から、『延喜式神名帳』が成立した延長5年（927年）以前に創建されたと考えられています。『倭姫命世記』によると、倭姫命が志摩国を巡幸した帰路に池の浦に立ち寄り、そこで御贄を奉った神を淡海子神と名付け、粟皇子神社を定めたと伝えられています。

当初は池の浦に浮かぶ中之島に鎮座していましたが、祭祀が途絶え、元禄5年（1692年）の再興時に中之島を望む鳥取海岸へ移されました。その後、正徳2年（1712年）に高波による被害を受けたため、現在の社地に移転しています。

現在の社殿は、明治41年（1908年）4月に建て替えられたものです。

交通

粟皇子神社は、ホテル「旅荘 海の蝶」の敷地内に位置しており、ホテルを経由して参拝することができます。ホテルのフロントに一声かけることで、敷地内を通って神社へ行くことができます。ホテルから神社までは案内看板が整備されています。

公共交通機関
JR参宮線松下駅から徒歩約20分：駅前の林道に沿って進み、突き当たりの堤防から海岸線に沿って進む。
三重交通バス池の浦バス停から徒歩約40分
自動車
伊勢二見鳥羽ライン鳥羽ICから国道42号経由で約10分（約2.2km）。ただし、自動車はホテルまでしか乗り入れできません。

参考文献

伊勢文化舎 編『お伊勢さん125社めぐり』別冊『伊勢人』、伊勢文化舎、平成20年12月23日、151p. ISBN 978-4-900759-37-4
宇治山田市役所 編『宇治山田市史 上巻』宇治山田市役所、昭和4年1月20日、862p.
学研パブリッシング『伊勢神宮に行こう』Gakken Mook神社紀行セレクションvol.1、薗田稔監修、学研マーケティング、2013年7月4日、82p. ISBN 978-4-05-610047-1
『日本人なら知っておきたい 伊勢神宮と125の社』タツミムック、辰巳出版、2013年11月1日、127p. ISBN 978-4-7778-1197-7

関連項目

伊勢国の式内社一覧
神宮125社の一覧

外部リンク

粟皇子神社（あわみこじんじゃ） - 一般財団法人伊勢神宮崇敬会

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