ポリュペルコン

ポリュペルコンの生涯

ポリュペルコン（紀元前394年 - 紀元前303年）は、古代マケドニアの軍司令官であり、アレクサンドロス大王とその父フィリッポス2世に仕えていました。彼はエペイロスのテュンファイア出身で、シンミアスの子として生まれました。彼はアレクサンドロスの東方遠征において最高齢の指揮官として戦ってきました。紀元前323年、ポリュペルコンはクラテロスの副官として、戦争から帰還する兵士をマケドニアへ戻す任に就きました。

アレクサンドロスの死

アレクサンドロスが死去したとき、ポリュペルコンはキリキアにいました。彼はその後、ラミア戦争で厳しい状況に直面していたアンティパトロスの援軍としてギリシアに向かい、反乱を鎮圧するために戦いました。それでも、彼はその後もマケドニアにとどまり続けました。彼の政治的な立場は変化し、後にアンティパトロスやクラテロスによってギリシアとマケドニアの総督に任命され、後方の守りを任されました。

ディアドコイ戦争の激化

紀元前319年にアンティパトロスが亡くなると、ポリュペルコンは帝国の摂政および全軍の最高司令官として指名されましたが、アンティパトロスの息子カッサンドロスはこれに反発し、二人は権力争いに突入しました。この争いは他のディアドコイたちにも波及し、ポリュペルコンはエウメネスと同盟を結び、カッサンドロスの勢力に対抗しました。

一方でポリュペルコンは、ギリシアの多くの都市に対する支配を強化し、自由の宣言を行いました。しかし、彼の艦隊は紀元前318年にアンティゴノスによって壊滅させられ、カッサンドロスはアテナイを掌握します。その後、ポリュペルコンはカッサンドロスによって追放され、エペイロスへ逃れました。彼はそこでアレクサンドロスの母オリュンピアス、未亡人ロクサネ、遺児アレクサンドロス4世と合流します。

オリュンピアスとの同盟

エペイロスで力を得たオリュンピアスは、マケドニアへ軍を進め、カッサンドロスの敵であったピリッポス3世とエウリュディケ2世の軍を打ち破り、捕らえることに成功します。しかし、カッサンドロスの反撃に遭い、オリュンピアスは紀元前316年に敗北し、捕らえられ命を落とします。この時、カッサンドロスはロクサネとアレクサンドロス4世を軟禁しました。

最後の戦い

その後、ポリュペルコンはペロポネソスに逃れ、アンティゴノスと手を組みます。彼はコリントスとシキュオンを除いた全てのペロポネソス半島を制圧しました。しかし再び戦争が起こり、ポリュペルコンはカッサンドロスとの交渉のために派遣されたアレクサンドロスの庶子ヘラクレスを殺害してしまいます。以降、彼は数年にわたりペロポネソスの支配を維持しましたが、その後の政治的活動は限定的でした。最終的には、ポリュペルコンは死去するまで、マケドニアとその周辺の歴史に重要な影響を与え続けました。

参考文献

• - ポンペイウス・トログス / ユスティヌス抄録『地中海世界史』合阪學 訳、京都大学学術出版会〈西洋古典叢書〉、1998年

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