紫の炎

ディープ・パープル『紫の炎』：第三期の幕開けを告げた名盤

『紫の炎』（原題: Burn）は、1974年に発表されたディープ・パープルの8作目のスタジオ・アルバムです。このアルバムは、イアン・ギランとロジャー・グローヴァーの後任として、デイヴィッド・カヴァデール（ヴォーカル）とグレン・ヒューズ（ベース、ヴォーカル）という新たな才能を迎え、第三期ディープ・パープルとして初めて制作された作品です。

新たな音楽性の融合

カヴァデールとヒューズの加入は、バンドの音楽性に大きな変化をもたらしました。彼らが持ち込んだブルースロックの要素と、バンドが元々持っていたルーツ・ロックやクラシック音楽の要素が見事に融合し、新たなサウンドスケープを創り出しています。この音楽性の融合は、アルバム全体を通して感じられ、ディープ・パープルの新たな方向性を示すものとなりました。

世界的な成功

アルバムの発表後、1974年4月に出演したカリフォルニア・ジャムでの成功も後押しとなり、『紫の炎』は世界的なヒットを記録しました。特に、タイトル曲である「紫の炎」は、シングル・カットされ、コンサートのオープニングを飾る定番曲となりました。しかし、この曲はジョージ・ガーシュインの「魅惑のリズム」との類似性も指摘されています。

楽曲に関するエピソード

「ミストゥリーテッド」は、リッチー・ブラックモアがディープ・パープル脱退後に結成したレインボーでも定番曲となり、ライブ・アルバム『レインボー・オン・ステージ』にも収録されています。この曲は、ブラックモアのギタープレイとカヴァデールのエモーショナルなボーカルが際立つ、ブルースロックの傑作として知られています。

収録曲

1. 紫の炎 - "Burn"
2. テイク・ユア・ライフ - "Might Just Take Your Life"
3. レイ・ダウン、ステイ・ダウン - "Lay Down, Stay Down"
4. セイル・アウェイ - "Sail Away"
5. ユー・フール・ノー・ワン - "You Fool No One"
6. ホワッツ・ゴーイング・オン・ヒア - "What's Goin' on Here"
7. ミストゥリーテッド - "Mistreated"
8. "A" 200 (インストゥルメンタル) - "A" 200"

演奏者

リッチー・ブラックモア - ギター
デイヴィッド・カヴァデール - リード・ボーカル
グレン・ヒューズ - ベース・ギター、バッキング・ボーカル
ジョン・ロード - キーボード
* イアン・ペイス - ドラムス

『紫の炎』は、第三期ディープ・パープルの幕開けを告げただけでなく、ロック史においても重要な位置を占めるアルバムです。新たなメンバーの加入による音楽性の変化、そして世界的な成功は、ディープ・パープルの歴史に新たな1ページを刻みました。

もう一度検索