ルーツ・ロック

ルーツ・ロックとは

ルーツ・ロックは、フォーク、ブルース、カントリー、スワンプ・ポップなど、アメリカの伝統的な音楽のエッセンスを取り込み、ロックンロールのルーツを再考しようとする音楽ジャンルです。1960年代後半に、サイケデリック・ロックが台頭する中で、ロックの原点に立ち返る動きとして生まれました。

概要

1966年頃、多くのロックアーティストが実験的なサイケデリック・ミュージックに傾倒する中、ボブ・ディランは、アルバム制作のために訪れたナッシュビルで、ロックのルーツに立ち返ることを考えました。彼のアルバム『ジョン・ウェズリー・ハーディング』(1967年)や『ナッシュヴィル・スカイライン』(1969年)は、カントリーミュージックの影響を色濃く反映しており、カントリー・フォークの起源とも言われています。

歴史

[1960年代]]後半には、ザ・バンドやクリーデンス・クリアウォーター・リバイバル]といったバンドが、[[ロックンロール、フォーク、カントリー、ブルースを融合させた音楽で成功を収めました。その後、ライ・クーダー、ボニー・レイット、ローウェル・ジョージといったカリフォルニア出身のソロミュージシャンが、ルーツ・ロックのシーンを牽引しました。

イギリスでは、ローリング・ストーンズやエリック・クラプトンが、アメリカ南部のルーツミュージックに強い関心を示しました。ローリング・ストーンズの「ホンキー・トンク・ウィメン」「ブラウン・シュガー」などの楽曲や、アルバム『メイン・ストリートのならず者』(1972年)には、ルーツ・ロックの要素が強く表れています。

また、アメリカのCCR、レオン・ラッセル、デラニー&ボニー、グレイトフル・デッドなども、ルーツ・ロックの傾向を示すアルバムを発表しました。

サブジャンル

ルーツ・ロックからは、以下のようなサブジャンルが生まれました。

ブルースロック: イギリスのブルースロック・ブームの中で、アレクシス・コーナー、ジョン・メイオール、フリートウッド・マックなどが活躍しました。アメリカでは、ポール・バターフィールドやキャンド・ヒートなどが注目されました。
カントリーロック: CCR、ブルー・リッヂ・レインジャーズ、ニュー・ライダース・オブ・ザ・パープル・セイジ、グラム・パーソンズ、フライング・ブリトー・ブラザーズなどが代表的なバンドとして挙げられます。
スワンプ・ロック: ルイジアナを中心としたアメリカ南部特有の音楽の影響を受けたジャンルで、CCR、レオン・ラッセル、デラニー&ボニーなどがいました。
ハートランド・ロック: アメリカ中西部や南部の一部で発展したロックで、ブルース・スプリングスティーン、ボブ・シーガー、トム・ペティなどが代表的なミュージシャンです。

1980年代以降

1980年代には、カントリーとパンクを融合させたカウパンクが登場しました。ザ・ガンクラブやヴァイオレント・フェムズなどが代表的なバンドです。また、ボ・ディーンズやロス・ロボスもこの時期に活躍しました。

1990年代初頭には、クリス・アイザックが、やるせない雰囲気のサウンドで成功を収めました。スティーヴ・アール、ルシンダ・ウィリアムス、アンクル・テューペロといったオルタナティヴ・カントリーのミュージシャンも、ルーツ・ロックの路線を追求しました。

1990年代後半には、このムーブメントは衰退しましたが、サン・ヴォルト、ウィルコ、The Bottle Rocketsといったバンドが、ルーツ・ロックの精神を受け継ぎました。マーク・ノップラーは、ダイアー・ストレイツ解散後、ソロアルバムでルーツ・ロックの要素を取り入れています。

主なアーティスト

ボブ・ディラン
ザ・バンド
クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル
スティーヴ・アール
サン・ヴォルト
ウィルコ

関連項目

カントリーロック
サザンロック
アメリカーナ
ブルースロック
フォークロック
ロックンロール

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