細川成之

細川成之について

細川成之（ほそかわ しげゆき）は、室町時代から戦国時代にかけて重要な役割を果たした武将であり、守護大名でもありました。彼は阿波国、三河国、讃岐国の守護を務め、室町幕府相伴衆の一員としても知られています。細川家の5代当主であり、後に京兆家を継いだ細川澄元は成之の孫であることから、細川家の歴史においても特に重要な地位にあります。

生涯

成之は永享6年（1434年）に細川教祐の子として誕生しました。伯父の細川持常の養嗣子となることによって、細川家の後継者となりました。宝徳元年（1449年）には「下屋形」の家督を継承し、阿波と三河の守護となりました。元服の際には、室町幕府の8代将軍である足利義成から偏諱を授かり、成之という名を名乗るようになりました。

1454年に将軍の命により山名宗全討伐の総大将に選ばれましたが、直前に本家の管領である細川勝元の嘆願により中止となりました。その後、寛正3年（1462年）には畠山義就討伐の指令を受けて、河内国での戦いに参加しました。

三河国では前の守護である一色氏との戦いが続いており、1465年には丸山中務入道や大庭二郎左衛門などによる一揆が発生しました。成之はこれに対し、幕府を通じて一揆の鎮圧を命じ、結果的に信光や宗光に鎮圧をさせました。

応仁の乱では、勝元が指揮する東軍の一員として京都で市街戦を交え、西軍と戦いました。文明5年（1473年）には讃岐の守護に任じられますが、1476年に三河の守護代が自死したことで幕府への出仕を一時停止しました。しかし1478年には義直が三河を放棄したことで再び出仕しました。

成之はこの時期、自身の娘の死を悲しみ、出家することを決意しました。この結果、嫡男の政之に家督を譲り、諸国漫遊の旅へと出かけましたが、家中の動揺を受けて急遽帰還します。

その後も政之と家臣たちの対立は続き、特に政之が徳政一揆を扇動した三好之長を重用したことで、他の重臣との関係が悪化しました。最終的に、成之と政之は反乱を鎮圧するために阿波に急行しました。

長享2年（1488年）には政之が急死し、次男の義春が家督を継ぎますが、成之はその葬儀に参加できませんでした。義春も1497年に亡くなり、孫の之持が若年のため後見を務めました。

その後、永正元年（1504年）には管領の細川政元に反乱を起こされますが、成之はその後、孫の澄元を政元の養子に迎えることで一時和解します。しかし永正4年（1507年）には政元が暗殺され、後継者争いが起きました。成之は孫を支えるために奔走するものの、最終的に澄元は敗北し、阿波に帰還することになります。

成之は1511年、78歳でその生涯を閉じました。

人物像

成之は東山文化の代表的な文化人としても知られ、連歌師や様々な文化人と交流がありました。絵画や犬追物、蹴鞠、猿楽にも精通していたため、文化面でも重要な人物として位置づけられています。

彼の墓所は徳島県徳島市にある丈六寺で、同寺には彼の肖像画も保存されています。

系譜

成之の父は細川教祐、母は細川頼元の娘です。彼の養父は細川持常です。嫡男は細川政之で、その他には細川義春や複数の女子も存在します。成之の横のつながりには三好之長などがいます。

成之の事績は、後の細川家や日本の戦国時代における運命に影響を与え続けました。

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