絵島 (和宮の侍女)

絵島（えしま）

絵島は、文化6年（1809年）に京都で生まれ、明治20年（1887年）に77歳で亡くなった女性です。本名は田中氏とされ、藤、少進とも呼ばれていました。彼女は、幕末の動乱期に和宮親子内親王に仕え、その生涯を和宮に捧げました。

和宮への仕官と降嫁への貢献

弘化4年（1847年）、絵島は橋本実久邸にて和宮に仕えるようになりました。嘉永4年（1851年）には、和宮の乳母という重要な役割を担い、幼い和宮の成長を見守りました。

万延元年（1860年）、朝廷内で和宮の降嫁問題が紛糾した際、絵島は島田左近らの働きかけを受け、和宮の生母である観行院や外戚の橋本実麗を説得しました。特に、降嫁を躊躇していた和宮に対し、実麗が再考を促したことが降嫁決定の大きな要因となりました。この功績により、絵島は和宮の信頼をより一層得ることとなりました。

文久元年（1861年）、絵島は少進の名を賜り、和宮の江戸降嫁に同行しました。江戸城大奥では、観行院や宰相典侍らとともに、和宮の側近として仕え、その生活を支えました。

明治維新後の生活

明治元年（1868年）の江戸城開城後も、絵島は引き続き静寛院宮（和宮）に付き従いました。明治2年（1869年）には年寄職と絵島の名前を拝領し、その功績を称えられました。しかし、明治10年（1877年）に高齢のため隠居し、静かな晩年を送りました。

絵島が登場する作品

絵島の波乱に満ちた生涯は、多くの人々を魅了し、映画、テレビドラマ、舞台劇など、様々な形で描かれています。

映画
朱雀門（1957年・大映）：萬代峰子が絵島を演じました。

テレビドラマ
和宮様御留（1981年・フジテレビ）：乙羽信子（藤役）、中村玉緒（少進役）が絵島を演じました。
大奥（1983年・関西テレビ）：村上麻代が絵島を演じました。
和宮様御留（1991年・テレビ朝日）：池内淳子が絵島を演じました。
篤姫（2008年・NHK大河ドラマ）：中村春菜が絵島を演じました。

舞台劇
和宮様御留（1981年・東京宝塚劇場）：草笛光子が絵島を演じました。
* 和宮様御留（2006年・新橋演舞場）：英太郎（お乳人藤役）、波乃久里子（少進役）が絵島を演じました。

これらの作品を通して、絵島の忠誠心や和宮への献身的な姿が、現代にも語り継がれています。

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