絶芸

絶芸とは

絶芸（ぜつげい）は、中国の企業テンセントが開発した囲碁用の人工知能プログラムです。英語名は「Fine Art」で、囲碁界におけるAI技術の進歩を示す存在となっています。このプログラムは、2016年11月1日から29日にかけて、インターネット囲碁サイト「野狐囲碁」において多くの対局を行い、その実力を証明しました。

主な戦績

絶芸は、その対局の中で著名な棋士たちに立ち向かい、素晴らしい成績を収めました。たとえば、韓国の棋士朴廷桓相手には5勝1敗、姜東潤とは3勝1敗、朴永訓にも3勝1敗、そして古力に対しては2勝1敗という戦績を残しました。日本棋士の中では余正麒が多く対戦し、結果は3勝1敗でした。さらに、電聖戦においては一力遼に対して中押し勝ちを収めるなど、名だたる棋士たちとの対決でも確かな力を示しました。

また、絶芸は柯潔との対戦歴もありましたが、最初は1勝3敗と負け越していました。しかし、その後に2子局のハンデを与えられた際には見事に勝利を収めています。これにより、絶芸の実力は多くの棋士に認められることとなりました。

国際大会での成績

2017年3月に開催された第10回UEC杯コンピュータ囲碁大会では、絶芸は日本最強の囲碁AIであるDeepZenGoに勝利し、優勝を果たしました。この大会の結果は、囲碁AI界でも注目を集める要因となりました。さらに、同年8月に行われた第1回中信証券杯世界電脳囲碁オープン戦ではDeepZenGoに準決勝で敗れたものの、12月に開催された「AI竜星戦2017」では再びDeepZenGoを下し、見事に優勝を収めました。

絶芸の地位

2017年5月には、AIの先駆者であるAlphaGoが柯潔との対戦を経て人間との対局から引退しました。これを受けて、2018年4月に引退したDeepZenGoとの戦績が拮抗していた絶芸には、事実上「世界最強の囲碁AI」との評価が下されました。しかし、同年4月に福州で行われた「世界人工知能囲碁大会」で、テンセントのWeChat・翻訳機能開発チームが開発したPhoenixGoに決勝で敗れ、その実力には陰りも見えました。

まとめ

絶芸は、これまでに数多くのタイトルを獲得し、囲碁AIの世界で重要な地位を占めてきました。2017年にはUEC杯コンピュータ囲碁大会とAI竜星戦2017で優勝し、その実力を証明しました。今後も、囲碁AIの研究や技術の進展に寄与することが期待されています。

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