朴永訓

朴永訓（パク・ヨンフン）

朴永訓（パク・ヨンフン、박영훈、ぼく えいくん、1985年4月1日 - ）は、韓国の囲碁棋士です。ソウル出身で、韓国棋院に所属しています。崔珪昞九段門下で、九段の段位を保持しています。沖岩高等学校を卒業。

概要

朴永訓は、その卓越した終盤の読みの正確さから、李昌鎬になぞらえて「小神算」「第2の神算」と評されるヨセの名手です。富士通杯、中環杯など世界棋戦で3度の優勝を果たし、韓国国内棋戦でも棋聖戦4連覇を達成するなど、国内外で数々のタイトルを獲得しています。

経歴

1996年、11歳で全国アマチュア囲碁大会に優勝し、世界青少年囲碁選手権大会の少年組でも優勝。13歳でアマチュア棋戦4冠を達成し、「アマ碁界の李昌鎬」と称賛されました。1999年に韓国棋院の初段となりプロ入り。2000年には倍達王棋戦で挑戦者決定戦に進出しましたが、李世乭に敗れました。2001年には二段ながら天元戦で優勝し、徐奉洙と並ぶ最低段位でのタイトル獲得記録を樹立。2003年には三星火災杯世界オープン戦で準優勝を果たし五段に昇段。2004年には富士通杯で優勝し、19歳という若さで九段に昇段。これは最年少記録であると同時に、入段から5年での九段昇段は最速記録となりました。

2005年には中環杯世界囲碁選手権戦で優勝。2005年から2008年にかけて棋聖戦を4連覇しました。2016年にはLG杯で準優勝、2017年と2019年には春蘭杯で準優勝、2018年にはMlily夢百合杯で準優勝するなど、世界戦で数多くの好成績を残しています。

2005年の韓国囲碁リーグでは、新星建設チームの主将としてレギュラーリーグ7連勝、プレーオフ決勝2連勝でチームを優勝に導き、中韓チャンピオンズリーグでも中国上海チーム戦で2連勝を含む11連勝を記録しました。2007年には韓国棋士ランキングで3位にランクイン。2012年からは中国乙級リーグにも参戦しています。

タイトル歴

国際棋戦

世界囲碁選手権富士通杯：2004年、2007年
中環杯世界囲碁選手権戦：2005年
中韓天元対抗戦：2002年
世界囲棋名人争覇戦：2011年
徳州杯世界囲碁大師戦：2013年

国内棋戦

バッカス杯天元戦：2001年、2012年
物価情報杯プロ棋戦：2005年
BCカード杯新人王戦：2005年
嶺南日報杯：2005年
棋聖戦：2005年 - 2008年
GSカルテックス杯プロ棋戦：2007年 - 2008年
マキシムコーヒー杯入神連勝最強戦：2008年、2011年
名人戦：2010年 - 2011年、2014年

その他の棋歴

国際棋戦

三星火災杯世界オープン戦：準優勝（2003年、2008年）
LG杯世界棋王戦：準優勝（2016年）、ベスト4（2010年、2014年）
春蘭杯世界囲碁選手権戦：準優勝（2017年、2019年）
Mlily夢百合杯世界囲碁オープン戦：準優勝（2018年）、ベスト4（2015年）
世界囲碁選手権富士通杯：3位（2009年）
トヨタ&デンソー杯囲碁世界王座戦：ベスト4（2008年）
中国・常徳杯世界囲棋名人争覇戦：準優勝（2012年）
ワールドマインドスポーツゲームズ：2008年男子個人戦ベスト8
中韓新人王対抗戦：2005年 1-2 古力
中韓天元対抗戦：2013年 1-2 陳耀燁
世界囲棋名人争覇戦：2015年 0-2（×井山裕太、×陳耀燁）
CSK杯囲碁アジア対抗戦：
2002年 2-0（○本田邦久、○王銘宛）
2005年 2-1（○周俊勲、×高尾紳路、×孔傑）
2006年 3-0（○山下敬吾、○王立誠、○丁偉）
農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦：
2003年 4-1（○古力、○王立誠、○常昊、○張栩、×孔傑）
2006-07年 4-1（○彭筌、○高尾紳路、○陳耀燁、○依田紀基、×孔傑）
2008年 0-1（×常昊）
2010年 0-1（×羽根直樹）
日月星杯中韓囲棋対抗戦：2005年 1-3（×胡耀宇、○王檄、×周鶴洋、×王磊）
招商地産杯中韓囲棋団体対抗戦：2011年 0-2（×孔傑、×劉星）
スポーツアコードワールドマインドゲームズ：2014年 男子団体戦準優勝（4-1）
金竜城杯世界囲碁団体選手権：2015年 3位（韓国ワイルドカードチーム）

国内棋戦

GSカルテックス杯プロ棋戦：準優勝（2004年、2011-2012年）
圓益杯十段戦：準優勝（2006年、2013年）
マキシムコーヒー杯入神連勝最強戦：準優勝（2009年、2018年）

韓国囲碁リーグ

2004年（第一火災）1-6
2005年（新星建設）7-0
2006年（嶺南日報）6-7
2007年（全南ノーブルランド）5-8
2008年（新星建設）10-3
2009年（嶺南日報）8-4
2010年（ポスコ）9-7
2011年（Tブロード）7-7
2012年（Kixx）8-9
2013年（ネットマーブル）9-4
2014年（SKエネルギー）8-5
2015年（SKエネルギー）
2016年（SKエネルギー）10-4
2017年（韓国物価情報）9-6
2018年（BGF）7-8

中国囲棋リーグ戦

2012年乙級（四川嬌子）4-3
2013年甲級（広州広日）9-7
2014年乙級（広州広日）5-2
2016年乙級（広東東湖棋院）
2017年甲級（広東東湖棋院）3-8
2018年乙級（広東東湖棋院）6-2

脚注

朴永訓は、その卓越したヨセの技術と読みの深さで、数々のタイトルを獲得し、囲碁界にその名を刻んでいます。今後もその活躍が期待される棋士の一人です。

外部リンク

韓国棋院「박영훈」
* インタビュー(英語で)

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