網代駅

網代駅（あじろえき）は、静岡県熱海市下多賀に位置する、東日本旅客鉄道（JR東日本）伊東線の駅です。駅には「JT 24」の駅番号が付与されています。駅名は「網代」ですが、その所在地は熱海市「網代」地区ではなく、「下多賀」にあります。

概要

当駅は伊東線の中間駅として、日中を中心に伊豆急行線との相互直通運転が実施されています。また、朝および夕方から夜にかけては、伊東線を経由して東海道線、さらに東北本線（宇都宮線）や高崎線方面へ直通する上野東京ライン系統の列車も発着します。ただし、湘南新宿ライン系統の列車は当駅には乗り入れていません。

交通系ICカード「Suica」の利用が可能で、「Suica首都圏エリア」に含まれています。これにより、Suicaをはじめとする首都圏ICカード相互利用サービスや、全国交通系ICカード相互利用サービスに対応しています。また、旅客営業規則で定められる「東京近郊区間」にも指定されている駅です。

伊東線の中間駅（熱海駅管轄の来宮駅・伊豆多賀駅、伊東駅管轄の網代駅・宇佐美駅）では、2015年（平成27年）3月8日に実施された無人駅化に伴い、駅遠隔操作システム（現在の名称はお客さまサポートコールシステム）が導入されました。これに合わせて、自動券売機は多機能券売機に置き換えられ、インターホンと券面確認台を備えた自動精算機が新たに設置されています。かつて有人窓口で行っていたような処理は、伊東駅の駅員が自動精算機を遠隔で操作することにより対応する体制となっています。

歴史

網代駅は、1935年（昭和10年）3月30日に鉄道省（後の国鉄）伊東線が熱海駅から延伸開業した際の終着駅として開設されました。その後、1938年（昭和13年）12月15日には伊東線が当駅から伊東駅まで延伸され、途中駅となりました。

第二次世界大戦後の国鉄発足を経て、1987年（昭和62年）4月1日の国鉄分割民営化により、JR東日本の所属駅となります。貨物の取扱いは1963年（昭和38年）に、荷物取扱いは1985年（昭和60年）にそれぞれ終了しました。

1997年（平成9年）4月1日には、日勤体制への移行に伴い、駅員が不在となる時間帯が設けられました。そして、2004年（平成16年）10月16日にはICカード「Suica」が利用可能となり、同時に東京近郊区間にも組み込まれています。2009年（平成21年）10月1日には駅構内が全面禁煙となりました。

近年では、2015年（平成27年）3月7日にみどりの窓口の営業が終了し、翌3月8日には他の伊東線中間駅と同時に無人化され、駅遠隔操作システムが導入されました。2017年（平成29年）4月1日には、ホームと駅舎を結ぶ通路内に車椅子対応エレベーターが設置され、バリアフリーへの対応が進みました。2024年（令和6年）3月16日のダイヤ改正では、特急「踊り子」の全列車が当駅を通過するようになりました。

駅構造

駅は地上駅で、盛土上に設けられた島式ホーム1面2線を有しています。構内は半径240メートルから400メートルの急なカーブとなっており、列車の制限速度が35km/hに抑えられる原因の一つとなっています。また、熱海方面には新小山トンネル、伊東方面には全長2,941メートルの新宇佐美トンネルが位置しており、これらに挟まれた構造のため、見通しが非常に悪いのが特徴です。ホームには安全のために内方線付き点字ブロックが設置されています。

駅舎は1番線ホームの線路を挟んだ東側に位置しており、駅舎からホームへは盛土内の通路を利用してアクセスします。この通路には、ホームへの移動を容易にするための車椅子対応エレベーターが設置されています。

改札口には、使用済みきっぷを投入するきっぷ回収箱、簡易Suica改札機、Suicaの利用や精算に対応した自動精算機、そして多機能券売機が設置されています。また、乗車駅証明書発行機も備えられています。改札外には、伊東線の運行情報や時刻表を表示するディスプレイがあり、JR東日本の列車運行情報サービス「どこトレ」と同様の内容に加え、当駅を発着する列車の始発から終電までの時刻を確認することができます。トイレは改札口を出て左手にありますが、多機能トイレは設けられていません。このトイレは2019年（平成31年）に洋式化工事のため一時閉鎖されていました。

のりば

ホームは島式1面2線で、列車の11両編成に対応した有効長を備えています。

2015年（平成27年）3月14日のダイヤ改正で上野東京ラインの運行が開始されたのに合わせ、朝および夕方から夜の時間帯に、当駅から東海道線を経由し、さらに東北本線（宇都宮線）や高崎線へ直通する列車が設定されました。宇都宮線へは最遠で宇都宮駅まで、高崎線へは最遠で高崎駅（平日の一部列車は籠原駅まで）へ向かう列車があります。湘南新宿ラインの列車は引き続き当駅には乗り入れておらず、小田原駅以東での乗り換えが必要です。

利用状況

近年の1日平均乗車人員は、2013年度時点で922人となっています。駅の利用状況については、JR東日本が公表する乗車人員データなどでその推移を確認することができます。

駅周辺

駅前通りには、かつて網代温泉への玄関口を示すアーチが設置されていましたが、老朽化が進んだため2020年（令和2年）1月に撤去されました。駅周辺には路線バスの停留所「網代駅口」があり、東海バス熱海営業所が運行する路線バスが発着しています。これらのバスは、お宮の松や熱海駅方面、あるいは弘法滝藤哲や網代旭町方面への便があります。

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