緒方景俊

緒方景俊

緒方景俊（おがた かげとし）は、1913年（大正2年）9月1日に生まれ、1982年（昭和57年）12月26日に没した、日本の陸軍軍人、そして航空自衛官です。最終階級は航空幕僚長（第8代）で、航空自衛隊の要職を歴任しました。鹿児島県出身で、教育者の父、緒方竜之進の息子として生まれました。

生い立ちと陸軍時代

鹿児島県で生まれた緒方は、伊集院中学、東京府立四中を経て陸軍士官学校に入校。陸軍大学校を恩賜軍刀組として卒業しました。その後、第3飛行団司令部員、第51教導飛行師団参謀、大本営参謀などを歴任し、陸軍省軍務局課員として終戦を迎えました。

戦後の転身

戦後は公職追放を経験しましたが、1952年（昭和27年）に警察予備隊に入隊。その後、1954年（昭和29年）に航空自衛隊が発足すると同時に転官しました。航空自衛隊では、航空保安管制気象群司令、空幕人教部副部長などを務め、その後、陸上自衛隊に転身。陸幕第5部副部長、防衛研修所副所長、統合幕僚会議事務局長と、自衛隊の要職を歴任しました。

航空幕僚長就任

緒方は、術科教育本部長を経て、1968年（昭和43年）にはFX（次期主力戦闘機）の調査団長として渡米しました。帰国後、航空幕僚副長を経て、1969年（昭和44年）に第8代航空幕僚長に就任しました。

空幕長在任中には、3自衛隊初のC4Iシステムである自動警戒管制組織（BADGEシステム）の運用が開始されました。しかし、1969年（昭和44年）にはF-104J戦闘機が金沢市の民家に墜落し民間人が死亡するという事故や、佐渡分屯基地所属隊員の反戦自衛官問題など、様々な困難にも直面しました。

年譜

1934年（昭和9年）6月：陸軍士官学校卒業
1934年（昭和9年）10月：歩兵少尉任官
1936年（昭和11年）10月：歩兵中尉昇進
1937年（昭和12年）12月：陸軍士官学校付
1938年（昭和13年）7月：歩兵大尉昇進
1941年（昭和16年）12月：陸軍大学校卒業（恩賜組）、参謀本部第3課員
1942年（昭和17年）3月：第3飛行団司令部員
1942年（昭和17年）8月：陸軍少佐昇進
1942年（昭和17年）9月：第51教導飛行師団参謀
1943年（昭和18年）8月：大本営参謀
1945年（昭和20年）4月：陸軍省軍務局課員
1945年（昭和20年）8月：復員
1947年（昭和22年）11月：公職追放仮指定
1952年（昭和27年）7月：警察予備隊入隊
1954年（昭和29年）7月：航空自衛隊に転官、1等空佐
1958年（昭和33年）5月：航空幕僚監部装備課長
1960年（昭和35年）3月：航空保安管制気象群司令
1961年（昭和36年）7月：調達実施本部名古屋第2駐在官事務所長
1962年（昭和37年）1月：空将補に昇任
1962年（昭和37年）7月：航空幕僚監部人事教育部副部長
1963年（昭和38年）3月：陸将補に任命、陸上幕僚監部第5部副部長
1964年（昭和39年）6月：空将補に任命、航空幕僚監部付
1964年（昭和39年）7月：防衛研修所副所長
1965年（昭和40年）7月：空将に昇任、航空自衛隊幹部候補生学校長
1966年（昭和41年）4月：統合幕僚会議事務局長兼統合幕僚学校長
1967年（昭和42年）11月：術科教育本部長
1968年（昭和43年）11月：第10代航空幕僚副長
1969年（昭和44年）4月：第8代航空幕僚長
1971年（昭和46年）7月：退官
1982年（昭和57年）12月：逝去

親族

義父に陸軍中将の中井良太郎がいます。

栄典

レジオン・オブ・メリット・コマンダー（1970年）
大綬雲麾勲章（1970年）
* 勲二等瑞宝章（1982年、追贈）

緒方景俊は、激動の時代を生き抜き、自衛隊の発展に大きく貢献した人物として、その名は歴史に刻まれています。

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