羽田武嗣郎

羽田武嗣郎の生涯

羽田武嗣郎（はた ぶしろう、1903年4月28日 - 1979年8月8日）は、日本の政治界において重要な役割を果たした衆議院議員であり、元内閣総理大臣羽田孜の父親でもあります。彼の人生は多彩であり、家族や政治活動において多くの影響を与えました。

出生と教育

羽田は長野県小県郡和田村（現在の長和町）で、教育者の父、羽田貞義の三男として誕生しました。地元の福島中学を経て、旧制新潟高等学校に通い、1929年には東北帝国大学法文学部を卒業しました。在学中には阿部次郎から教わり、知識と見識を深めました。卒業後、東京朝日新聞社に入社し、政治部に配属されました。

政治家としての活動

羽田は政治部記者としての経験を活かし、1941年には鉄道大臣の秘書官に就任。さらに1937年には立憲政友会から衆議院議員に立候補し、当選を果たします。また、出版業にも興味を持ち、「羽田書店」を設立し、若手編集者たちの育成に努めました。のちにはみすず書房を創業する小尾俊人を含む多くの社員とのネットワークを形成しました。

政友会の分裂時には中島知久平が率いる革新派に所属し、当時の政情の中で重要な位置を占めていました。1942年の翼賛選挙では同党から推薦され、見事当選を果たしますが、戦後は翼賛議員であったことから公職追放を受けました。

戻る政治の舞台

1952年に公職追放が解除され、彼は再び政界に戻り、農林政務次官や自由党の政調副会長などを歴任しました。そして、1955年に自由民主党に参加し、党の中でも重要な役割を果たしました。緒方竹虎や石井光次郎の派閥に属し、党副幹事長や衆議院建設委員長などの要職も経験します。

1963年には脳出血を発症し、その後も健康に苦しみながらも1967年の選挙で再度当選を果たします。しかし、体調の問題から政治活動は厳しくなり、1969年には引退を決意しました。こうした彼の志を継ぎ、長男の羽田孜が後を継ぐことになりました。

亡くなるまで

羽田武嗣郎は1979年8月8日に76歳でこの世を去りました。彼の死は、政治の舞台で彼が果たした役割や、その家族にとって大きな出来事となったことでしょう。

プライベートと家族

彼のプライベートに目を向けると、羽田武嗣郎は真言宗の信者でした。また、乗馬や読書などの趣味を持ち、その知的な一面を大切にしていました。羽田家には妻・とし子、長男・孜、そして孫がいます。長男の羽田孜は後に内閣総理大臣となり、羽田家の名をさらに広めました。孫にも政治家が多く、家族全体が日本の政治界に影響を与え続けています。

羽田武嗣郎の生涯は、日本の政治史における大きな足跡を残しています。彼の努力と情熱は、後の世代においても語り継がれることでしょう。

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