大分百山

大分百山とは

大分百山は、公益社団法人日本山岳会東九州支部が大分県内の山岳から選出した100の山々のリストです。この選定は、単に標高が高い山を選ぶのではなく、地域に根ざした山、歴史や伝説を持つ山、学術的な価値がある山、そして登山に適した山など、多様な視点から行われています。

選定の経緯

大分百山は、1980年4月に日本山岳会東九州支部の創立20周年を記念して、宮崎百山と共に初めて選定されました。当初は、名山という言葉にこだわらず、親しみやすい「百山」という表現が用いられました。その後、1991年、2002年、2020年と、支部の節目ごとに見直しが行われ、時代の変化や新たな視点を取り入れながら、より魅力的な100山が選ばれています。

初版からの変更点

• - 1991年：初版発行時に、鷲巣岳、樋桶山など5座が外れ、文殊山など5座が追加されました。
• - 2002年：改訂版発行時に、和尚山など10座が外れ、鷲巣岳、樋桶山が復活し、冠山など8座が追加されました。
• - 2020年：三訂版発行時に、鷲巣岳など7座が外れ、扇ケ鼻など7座が追加されました。

これらの変更は、時代とともに変化する人々の価値観や山の魅力に対する新たな発見を反映しています。

選定基準

大分百山の選定基準は以下の通りです。

• - 山の姿：美しい山容を持っていること
• - 高度：ある程度の高度を持っていること
• - 地域性：地域の人々に親しまれていること
• - 歴史・伝説：歴史や伝説を秘めていること
• - 学術的価値：地質や植生などで学術的な価値があること
• - 登山適性：登山、ハイキング、散策などに適していること

これらの要素のうち少なくとも3つ以上を満たしている山が、地域性も考慮した上で選ばれています。

大分百山一覧

大分百山は、以下の地域ごとに分類されています。

九重山群とその周辺

1. 久住山（1,786.5m）
2. 大船山（1,786.3m）
3. 黒岳（1,587m）
4. 平治岳（1,643.0m）
5. 中岳（1,791m）
6. 稲星山（1,774m）
7. 星生山（1,762m）
8. 扇ケ鼻（1,698m）
9. 三俣山（1,744.3m）
10. 黒岩山（1,502.5m）
11. 猟師岳（1,423.1m）
12. 一目山（1,287.4m）
13. 涌蓋山（1,499.6m）
14. 崩平山（1,288.6m）
15. 花牟礼山（1,170.5m）
16. 野稲岳（1,037.7m）
17. 熊群山（805.1m）
18. 冠山（761.5m）

由布・鶴見山群とその周辺

19. 由布岳（1,583.3m）
20. 鶴見岳（1,374.m）
21. 内山（1,275.m）
22. 伽藍岳（1,045.4m）
23. 大平山（810m）
24. 小鹿山（727.7m）
25. 高崎山（628.4m）
26. 城ケ岳（1,168.0m）
27. 倉木山（1,160m）
28. 雨乞岳（1,073.9m）
29. 立石山（1,070m）
30. 福万山（1,235.9m）
31. 平家山（1,022.9m）
32. 七つ石山（623.3m）

国東半島

33. 両子山（720.2m）
34. 千灯岳（605.6m）
35. 文殊山（616.0m）
36. 猪群山（458.2m）
37. 中山仙境（316.8m）
38. 屋山（543.3m）
39. 尻付山（587.3m）
40. 津波戸山（529.1m）
41. 華岳（592.7m）
42. 鋸山（542m）
43. 矢筈岳（266.4m）

宇佐・耶馬渓地方

44. 御許山（647m）
45. 米神山（475m）
46. 鬼落山（576m）
47. 鹿嵐山（757.8m）
48. 八面山（659.2m）
49. 木ノ子岳（630.3m）
50. 樋桶山（877m）
51. 中摩殿畑山（991.0m）
52. 釣鐘山（852.0m）
53. 檜原山（734.9m）
54. 雁股山（807.2m）
55. 経読岳（992.2m）
56. 犬ケ岳（1,130.9m）
57. 鷹ノ巣山（979.2m）
58. 英彦山（1,199.5m）
59. 岳滅鬼山（1,040m）
60. 大将陣山（909.7m）

玖珠盆地周辺

61. 万年山（1,139.9m）
62. 宝山（815.7m）
63. 大岩扇山（691.0m）
64. 月出山岳（708.8m）

津江山地

65. 釈迦岳（1,231m）
66. 権現岳（1,209m）
67. 渡神岳（1,150.3m）
68. 酒呑童子山（1,180.5m）
69. 三国山（993.8m）
70. 尾ノ岳（1040.9m）

大分市南部

71. 霊山（610m）
72. 本宮山（607.6m）
73. 障子岳（750.8m）
74. 御座ケ岳（796.6m）
75. 鎧ケ岳（847m）
76. 樅木山（484.1m）

豊後水道沿岸

77. 鎮南山（536.3m）
78. 姫岳（619.9m）
79. 彦岳（639.3m）
80. 尺間山（641m）
81. 元越山（581.7m）
82. 場照山（660.8m）
83. 津島畑山（506.3m）

祖母・傾山群

84. 祖母山（1,756.4m）
85. 傾山（1,602.2m）
86. 障子岳（1,709m）
87. 古祖母山（1,633.1m）
88. 本谷山（1,642.9m）
89. 大障子岩（1,451m）
90. 障子岩（1,409.2m）
91. 越敷岳（1,060m）
92. 緩木山（1,046.0m）
93. 新百姓山（1,272.4m）
94. 天神原山（995.1m）
95. 夏木山（1,385.8m）
96. 木山内岳（1,401.2m）
97. 桑原山（1,408.0m）

大野・直入地方

98. 小表山（711.7m）
99. 佩楯山（753.8m）
100. 椿山（659.0m）

注：

• - 読み仮名の後の数字は標高を示します。
• - △印は山頂に三角点があることを示し、その後の等数は三角点の種類を示します。

まとめ

大分百山は、大分県の豊かな自然と歴史を象徴する山々の集まりです。登山愛好家だけでなく、地域の自然や文化に興味がある方々にとっても、大分県の魅力を深く知るための素晴らしい道標となるでしょう。

参考文献

• - 社団法人日本山岳会東九州支部 編『日本山岳会東九州支部創立20周年記念誌』、1980年5月。
• - 社団法人日本山岳会東九州支部 編『登山ガイド 大分百山』、1991年2月。
• - 社団法人日本山岳会東九州支部 編『登山ガイド 大分百山 改訂版』、2002年4月。
• - 公益社団法人日本山岳会東九州支部 編『登山ガイド 新大分百山（大分百山・三訂版）』、2020年11月。

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