肝付兼英

肝付兼英（きもつき かねふさ）

生涯

肝付兼英は、1893年（明治26年）7月29日に生まれ、1974年（昭和49年）11月22日に没した、大正から昭和期にかけて活躍した農林技師、政治家、そして華族の男爵です。

父は海軍士官の肝付兼行であり、その長男として生まれました。1922年（大正11年）2月10日に父の死去に伴い、男爵を襲爵し、華族としての地位を継承しました。

1923年（大正12年）には早稲田大学理工学部を卒業し、同年、農商務技手として官界に入りました。その後、商工技手、資源局技師などを歴任し、技術者としてのキャリアを積みました。

1929年（昭和4年）4月27日には、貴族院男爵議員補欠選挙で当選し、貴族院議員としての活動を開始しました。公正会に所属し、1947年（昭和22年）5月2日の貴族院廃止まで、3期にわたりその職を務めました。貴族院廃止後の同年に行われた第1回参議院議員通常選挙には全国区から立候補しましたが、残念ながら落選しました。

その他の活動

肝付兼英は、技術者、政治家としての活動に加え、廣田内閣で内務参与官、商工省参与、土木会議議員、国立公園委員会委員などの要職を歴任しました。また、中央塗装統制社長や静岡瓦斯監査役も務め、実業家としても手腕を発揮しました。

親族

妻は澄江（瀧口吉良長女）であり、長男に兼一がいます。

まとめ

肝付兼英は、技術者、政治家、華族という多面的な顔を持ち、それぞれの分野で重要な役割を果たしました。彼の生涯は、大正から昭和という激動の時代を背景に、日本の発展に貢献した人物の一人として記憶されるでしょう。

参考文献

人事興信所編『人事興信録 第14版 上』、1943年。
『貴族院要覧（丙）』昭和21年12月増訂、貴族院事務局、1947年。
衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。
霞会館華族家系大成編輯委員会『平成新修旧[[華族家系大成]] 上巻』霞会館、1996年。
杉謙二編『華族畫報 下』吉川弘文館、2011年（華族画報社大正2年刊の複製）。
『国政選挙総覧：1947-2016』日外アソシエーツ、2017年。

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