鹿島サッカースタジアム駅

概要

鹿島サッカースタジアム駅は、茨城県鹿嶋市神向寺に位置する、東日本旅客鉄道（JR東日本）と鹿島臨海鉄道の共同使用駅です。この駅は、JR鹿島線と鹿島臨海鉄道大洗鹿島線の終点であり、鹿島臨港線の起点でもあります。JR東日本千葉支社の管轄駅としては最北端に位置しています。

通常、この駅には大洗鹿島線（鹿島線直通）の旅客列車と鹿島臨港線の貨物列車のみが運行します。元々、貨物駅である北鹿島駅として設置されたため、普段は旅客列車は営業停車しません。しかし、JR東日本と鹿島臨海鉄道の会社境界駅であるため、運賃計算上は連絡駅として扱われ、当駅発着の乗車券は常に発売されています。

旅客列車が営業停車するのは、隣接する茨城県立カシマサッカースタジアムでサッカーの試合が開催される場合のみです。そのため、旅客駅としての扱いは実質的に臨時駅と同等ですが、旅客扱いがない日も運転上の駅（信号場・貨物駅）として機能しており、路線・営業上も両線の境界駅であるため、時刻表には臨時駅の表記がありません。旅客駅としてはJR東日本成田統括センターが管轄する無人駅ですが、試合開催時には鹿島臨海鉄道の社員が派遣され、改札業務や乗車券販売などを行います。

運転士が使用する時刻表などでは、「鹿島スタ」と略して表示されます。2020年3月14日から当駅でSuicaが利用可能になりましたが、鹿島神宮駅およびその先のJR鹿島線方面のみで、大洗・水戸方面（大洗鹿島線）へは利用できません。ただし、営業期間中に限り、当駅 - 鹿島神宮駅間に限ってICカードを利用して大洗鹿島線に乗車できます。

歴史

鹿島サッカースタジアム駅は、鹿島臨海工業地帯で生産される貨物輸送を目的として、1970年に鹿島臨海鉄道臨港線から国鉄に乗り入れる貨物駅「北鹿島駅」として開業しました。1993年、Jリーグ人気が高まり、観戦ファンの利便性を向上させるため、JR東日本千葉支社が、カシマサッカースタジアム至近の同駅に旅客用ホームを新設しました。鹿島町（現鹿嶋市）が予算を拠出し、約3億8000万円をかけて建設されました。1994年3月12日から、試合開催日に限定して臨時列車を停車させ、乗降駅としての利用が開始されました。同年3月10日に「鹿島サッカースタジアム駅」に改称され、開業式には「マリンライナーはまなす」が初停車車両として迎えられました。

年表

1970年7月21日：鹿島臨海鉄道鹿島臨港線の北鹿島駅として開業。貨物のみ取り扱い。
1970年11月12日：国鉄鹿島線鹿島神宮 - 当駅間（貨物線）が開業。
1978年7月25日：鹿島臨海鉄道鹿島臨港線に旅客列車設定。当駅は通過扱いだが、名目上旅客扱い開始。
1983年12月1日：鹿島臨海鉄道鹿島臨港線の旅客列車廃止。旅客扱い廃止。
1985年3月14日：鹿島臨海鉄道大洗鹿島線水戸 - 当駅間が開業。名目上旅客扱い再開。
1986年11月1日：駅員無配置駅となる。
1987年4月1日：国鉄分割民営化に伴い、鹿島線の駅はJR東日本の駅となる。
1994年3月12日：鹿島サッカースタジアム駅に改称。試合開催日のみ臨時駅として旅客営業開始。
2002年6月2日：カシマサッカースタジアムで2002 FIFAワールドカップ開催。臨時列車が鹿島神宮駅や水戸駅との間で運転。
2005年10月16日：大洗鹿島線開業20周年を記念し、鹿島臨港線で旅客営業が1日限定で行われる。
2006年7月15日：2006JOMOオールスターサッカー開催。JR東日本の臨時列車が初めて乗り入れる。
2009年3月14日：東京近郊区間に組み込まれる。
2020年3月14日：ICカード「Suica」の利用が可能となる（JR線のみ）。

駅構造

旅客駅としては、島式ホーム1面2線を有する地上駅です。ホームは幅5メートル、長さ100メートルで、5両編成までの列車に対応可能です。屋根はカシマサッカースタジアムを意識したデザインとなっています。また、鹿島線の留置線、貨物用側線、機関車留置線も有しています。駅構内は一部を除き直流1500Vで電化されており、JR貨物のEF210形電気機関車や、鹿島線で使用されるE235系などの電車が乗り入れます。サッカー試合開催時には、JR東日本の電車が営業運転で乗り入れることもあります。

駅の跨線橋は歩行者専用の市道であり、試合開催日には駅利用者と民間駐車場からスタジアムへ向かう観客で共有されます。JR線用の簡易Suica改札機とSuicaチャージ機が設置されていますが、エレベーターやエスカレーターはありません。

のりば

1・2番線：鹿島線電車の夜間滞泊に使用。
3 - 5番線：貨物列車の機関車付け替えや留置、大洗鹿島線気動車の夜間滞泊に使用。
3 - 6番線：貨物列車の留置に対応するため、線路有効長は長い。

利用状況

2022年度の1日平均乗車人員は286人です。

駅周辺

駅周辺は元々田園地帯で、駅から集落までは距離があります。主な施設としては、以下のものがあります。

東側：茨城県立カシマサッカースタジアム、カシマサッカーミュージアム、カシマスポーツセンター、卜伝の郷運動公園など
西側：カシマサッカースタジアム民間駐車場、茨城県道242号鉾田鹿嶋線など

駅東側のカシマサッカースタジアム敷地内からは東京駅行きの高速バス「かしま号」が運行され、サッカー開催日には鹿島神宮駅行きのシャトルバスや東京駅行きの直行便も運行されます。駅西側には、池田交通（鹿島コミュニティバス）の「スタジアム駅入口」停留所があります。

隣の駅

JR鹿島線：鹿島神宮駅 - 鹿島サッカースタジアム駅
鹿島臨海鉄道大洗鹿島線：荒野台駅 - 鹿島サッカースタジアム駅 - 鹿島神宮駅（鹿島線）
* 鹿島臨港線（貨物線）：鹿島サッカースタジアム駅 - 神栖駅

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