舞鶴市立明倫小学校

概要

舞鶴市立明倫小学校は、京都府舞鶴市の北田辺に所在する公立小学校です。学校の近隣には、歴史的な田辺城（舞鶴城）跡があり、地域との深いつながりを感じさせます。

沿革と歴史

本校のルーツは江戸時代に遡ります。かつて丹後田辺藩の城下町として栄えた西舞鶴において、天明年間（1781年～1789年）には、時の藩主であった牧野宣成公により、学問所「明倫齋」が設立されました。その後、文久年間（1861年～1864年）には、第9代藩主の牧野誠成公によって「明倫館」と改称されました。「明倫」という校名は、『孟子』の一節から引用された「人倫を明らかにする」という教育理念に由来しています。安政年間（1855年～1860年）には、儒学を中心とした漢学のみならず、洋学や医学、算術、書道、礼儀作法など、幅広い分野の教育が取り入れられ、その教育内容は時代に合わせて拡充されていきました。

明治維新後の1872年（明治5年）に近代的な学校制度である学制が発布されると、明倫館の敷地と校舎を受け継ぐ形で、翌1873年（明治6年）4月13日、明倫小学校が開校しました。開校当初の正式名称は「第3大学区豊岡県管内第25番中学区丹後国加佐郡舞鶴自第12番至第182番連合小学明倫校」という非常に長いものでしたが、その後時代とともに簡潔な名称へと変更されていきます。1902年（明治35年）には舞鶴町立舞鶴高等小学校となり、1910年（明治43年）3月には舞鶴町立明倫尋常高等小学校へと改称されました。

同年4月には男女別学が導入され、女児は明倫校へ、男児は舞鶴校（舞鶴尋常高等小学校）へ通学することとなりましたが、間もなく1913年（大正2年）には舞鶴校が明倫校に統合され、再び男女共学に近い形に戻りました。また、1912年（明治45年）には舞鶴尋常高等小学校に付属する形で町立舞鶴図書館が開設されています。

太平洋戦争中の1941年（昭和16年）、国民学校令が施行されたことに伴い、校名は舞鶴市明倫国民学校に変更されました。戦後の1947年（昭和22年）、学校教育法が施行されると、現在の校名である舞鶴市明倫小学校となりました。

戦後も学校施設の整備は進められました。1955年（昭和30年）には鉄筋コンクリート造りの本館が完成し、1962年（昭和37年）には防火水槽としての機能も兼ね備えたプールが建設されました。1973年（昭和48年）には、学校の大きな節目として創立100周年を迎え、記念式典が盛大に開催されました。さらに、1981年（昭和56年）からは2年間をかけて大規模な校舎改築工事が行われ、現在の教室棟や体育館、プールなどが新たに整備されました。

特色ある正門

明倫小学校の正門は、学校の長い歴史を物語る貴重な存在です。この門は、学校の起源となった江戸時代の藩校「明倫館」が使用していた門を移築したものであり、長い年月を経て現在も使用されています。その歴史的価値が認められ、2017年（平成29年）2月28日には舞鶴市の指定有形文化財となりました。

著名な卒業生

明倫小学校からは、様々な分野で活躍する著名な卒業生を輩出しています。

山口有希（1999年卒）: 男子陸上競技短距離走選手。2004年のアテネオリンピックに出場しました。
齋藤里香（1999年卒）: 女子重量挙げ選手。2008年の北京オリンピックで8位に入賞しました。
ギャル曽根（2001年卒）: 大食いタレントとして広く知られています。
今崎俊樹（2003年卒）: 男子陸上競技中長距離走選手。

これらの卒業生たちは、それぞれの分野で優れた実績を残しており、学校の誇りとなっています。

明倫小学校は、藩校時代から続く「明倫」の精神を受け継ぎ、地域の歴史とともに歩みながら、子供たちの育成に取り組んでいます。

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