苦竹駅

苦竹駅（にがたけえき）

苦竹駅は、宮城県仙台市宮城野区苦竹一丁目にある、東日本旅客鉄道（JR東日本）仙石線の駅です。駅番号は[04]。仙台市都心部からやや東に位置し、周辺は住宅地と商業施設が混在しています。

歴史

苦竹駅の歴史は、太平洋戦争中の1943年（昭和18年）に宮城電気鉄道の駅として開業したことに始まります。この地域には当時、東京第一陸軍造兵廠仙台製造所があり、そこに勤務する工員の輸送が急務でした。それ以前には、現在の苦竹駅の北東に新田駅がありましたが、造兵廠の近くに移転し、駅名も苦竹駅に改称されました。

その後、宮城電気鉄道は国有化され、苦竹駅は運輸通信省の駅となりました。1966年（昭和41年）には高架化工事が完了し、1970年（昭和45年）には自動券売機が設置されるなど、近代化が進められました。

1991年（平成3年）に陸前原ノ町電車区が移転し、宮城野電車区（現在の仙台車両センター宮城野派出所）が開設されると、出入庫列車の発着駅が一時的に苦竹駅に変更されましたが、2004年（平成16年）に小鶴新田駅が開業したことで、その役割は終了しました。

年表

1943年（昭和18年）2月8日：宮城電気鉄道の駅として開業。
1944年（昭和19年）5月1日：宮城電気鉄道国有化により、運輸通信省の駅となる。
1966年（昭和41年）1月20日：高架化。
1970年（昭和45年）9月1日：自動券売機を設置。
1975年（昭和50年）：出札合理化により、出札窓口を閉鎖。
1987年（昭和62年）4月1日：国鉄分割民営化により、JR東日本の駅となる。
1993年（平成5年）ごろ：出入庫列車が苦竹駅発着に変更。
2003年（平成15年）8月10日：駅舎リニューアル工事が完了。自動改札機を導入。
2003年（平成15年）10月26日：ICカード「Suica」の利用が可能となる。
2004年（平成16年）3月13日：小鶴新田駅の開業に伴い、出入庫列車の発着駅が変更され、苦竹駅発着の列車が消滅。
2005年（平成17年）3月：発車ベルを導入。
2006年（平成18年）12月：ホームへのエレベーターを設置。
2010年（平成22年）4月1日：直営駅から業務委託駅となる。
2024年（令和6年）10月1日：えきねっとQチケのサービスを開始。

駅構造

苦竹駅は、相対式ホーム2面2線を有する高架駅です。ホームには勾配と急なカーブがあり、列車との間に大きな隙間や段差が生じるため、注意が必要です。ホームの全長が長いのは、かつて17メートル級車両による5両編成が運行されていた時代の名残です。

駅舎は高架下にあり、国道45号に面しています。2003年（平成15年）に駅舎のリニューアル工事が行われ、自動改札機が導入されました。また、2006年（平成18年）にはエレベーターが設置され、バリアフリー化が図られました。

現在は、仙台統括センター管理の業務委託駅（JR東日本東北総合サービス委託）として運営されており、自動券売機と自動改札機（Suica、えきねっとQチケ対応）が設置されています。JRの特定都区市内制度における「仙台市内」の駅です。

のりば

利用状況

JR東日本によると、2023年度（令和5年度）の1日平均乗車人員は2,835人です。

駅周辺

苦竹駅の南側は、陸上自衛隊東北方面隊の仙台駐屯地が広がっています。かつて駅の北側には、歓楽街として賑わった苦竹小路がありましたが、国道45号の拡幅工事や時代の変化とともに、その面影は薄れ、現在はパチンコ店やゲームセンターなどの大型遊興施設が目立つようになりました。また、駅の東側には自動車販売店が立ち並んでいます。

駅の西側には陸前原ノ町駅、北側には東北本線の東仙台駅があり、いずれも徒歩圏内です。近年はマンション開発も進み、住宅地としての側面も強まっています。

仙石線は、陸前原ノ町駅から苦竹駅の間で国道45号とほぼ並走しており、この区間は仙台市内でも特に渋滞が激しいことで知られています。国道45号の拡幅工事は長年にわたって進められてきましたが、2012年（平成24年）にようやく完了しました。

周辺施設

仙台東警察署
仙台東警察署苦竹交番
仙台苦竹郵便局
仙台 ゲストハウス梅鉢

隣の駅

東日本旅客鉄道（JR東日本）

■仙石線

陸前原ノ町駅 - 苦竹駅 - 小鶴新田駅

脚注

記事本文の注釈、出典については省略します。

参考文献

仙台市史編さん委員会　『仙台市史』特別編9（地域史）　仙台市、2014年。
宮城野区役所・地元学講座編集委員会　『新田』　宮城野区民ふるさと創生事業実行委員会、1993年。

関連項目

日本の[[鉄道駅]]一覧

外部リンク

駅の情報（苦竹駅）：JR東日本

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