茨田枚麻呂

茨田 枚麻呂の生涯

茨田枚麻呂（まんだ の ひらまろ、生年不明 - 天平勝宝7歳3月以前は、奈良時代中期の官人であり、さまざまな公的役職を歴任した人物です。彼の名は枚万呂とも記され、姓は宿禰です。官位には外従五位下や東市正が含まれ、その職務を通じて当時の社会に寄与していました。

経歴の概要

枚麻呂の影響力は聖武天皇の時代、具体的には天平15年（743年）における写経活動に現れています。この年の9月、彼は法花玄賛という経典の写経を一つのプロジェクトとして立ち上げ、その結果、「中宮少進」という役職の下で活動していたことが確認されています。天平16年（744年）においても、彼は宣旨による亡者のための盂蘭盆経の写経を指示し、さらには最勝王経の書写も自らお願いしています。

天平17年には重要な役職に昇格し、この年の4月18日には正六位上に昇進した後、同月25日に外従五位下へと叙位しています。彼の名前はその後も公文書に記され続け、このことからも彼の政治的な役割が重要であったことが伺えます。

官職とその影響

枚麻呂は天平18年（746年）には近江国司として名を挙げ、さらに孝謙天皇のもとで天平勝宝元年（749年）から美作守に任命されます。この役職では、特に経典の写経業務に関わることが多くあり、749年8月には新たな経典の書写を依頼されることもありました。彼は757年までその役割を果たし続けました。

753年、彼は心経などの重要な経典の写経を指示し、これにより多くの写経作品が生成されています。

最後の記録

彼の最後の記録は、天平勝宝7年（755年）3月のもので、ここで「故茨田大夫家」としての記載があり、彼が既に亡くなっていた可能性が示唆されています。このようにして、枚麻呂は奈良時代の文化に貢献しながら、数々の宗教的および政治的な役割を果たしていきました。

官歴

• - 天平15年（743年）9月: 中宮少進（皇后宮少進）として見受けられる（『大日本古文書』より）
• - 天平17年（745年）4月18日: 正六位上に昇進（『大日本古文書』より）
• - 天平17年（745年）4月25日: 外従五位下に叙位
• - 天平18年（746年）7月: 近江介として見受けられる（『寧楽遺文』などによる）
• - 天平勝宝元年（749年）8月10日: 美作守に就任
• - 天平勝宝7年（755年）3月: 「故茨田大夫家」となる（『大日本古文書』より）

参考文献

• - 『[続日本紀]]』3新日本古典文学大系14　岩波書店、1992年
• - 宇治谷孟『続日本紀]』[[講談社学術文庫、1992年
• - 『日本古代人名辞典』6 - p1638、竹内理三・山田英雄・平野邦雄編、吉川弘文館、1973年

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