草津・四万

特急「草津・四万」：温泉地を結ぶ列車の歴史と概要

特急「草津・四万」は、東日本旅客鉄道（JR東日本）が上野駅 - 長野原草津口駅間を、東北本線・高崎線・上越線・吾妻線経由で運行する特別急行列車です。この列車は、東京都心と群馬県を代表する温泉地、草津温泉や四万温泉を結び、観光客にとって重要な足となっています。

概要

「草津」という列車名は、1960年（昭和35年）に上野駅 - 長野原駅（現：長野原草津口駅）間を走る臨時準急列車として初めて使用されました。その後、1966年（昭和41年）に急行列車となり、1985年（昭和60年）には「白根」を統合する形で「新特急草津」として特急列車に格上げされました。2023年（令和5年）3月には、四万温泉の名前を加え、「草津・四万」と改称され、現在に至ります。

JR東日本の特設サイトやパンフレットでは、草津温泉（長野原草津口駅）、四万温泉（中之条駅）に加え、伊香保温泉（渋川駅）の3つの温泉地へのアクセス手段として紹介されています。これらの温泉地へは、駅から路線バスへの乗り換えが必要です。

運行概況

2024年（令和6年）3月16日のダイヤ改正時点では、平日に2往復、土休日に3往復が運行されています。下り列車は朝のラッシュが終わった時間帯から昼にかけて、上り列車は午後の日中時間帯に設定されています。また、多客期には臨時列車が2往復運行され、そのうち1往復は2023年（令和5年）3月から上野東京ラインを経由して東京駅発着で運行されています。

かつては、上野駅 - 新前橋駅間で特急「水上」と併結した14両編成で運行されていましたが、2012年（平成24年）3月17日のダイヤ改正でこの運用は廃止されました。過去には、全車指定席の臨時列車「草津白根」が運行されていた時期もありました。

2015年（平成27年）11月には、大船駅発着（湘南新宿ライン経由）の臨時列車が運転され、2016年（平成28年）1月・2月にも同様のルートで停車駅を減らした臨時列車が運転されました。

利用者減少のため、2016年（平成28年）3月26日のダイヤ改正をもって長野原草津口駅 - 万座・鹿沢口駅間の定期運転は終了しました。その後は多客期の臨時列車のみが万座・鹿沢口駅に乗り入れていましたが、2017（平成29）年度以降は乗り入れ実績はありません。

停車駅

現在の停車駅は以下の通りです。

上野駅 - 赤羽駅 - 浦和駅 - 大宮駅 - 熊谷駅 - 高崎駅 - 新前橋駅 - 渋川駅 - 中之条駅 - 長野原草津口駅

2017年（平成29年）3月4日のダイヤ改正で停車駅が統一され、定期・臨時列車ともに同じ停車駅となっています。

使用車両・編成

2023年（令和5年）3月18日のダイヤ改正以降は、大宮総合車両センター所属のE257系（5両編成・全車普通車指定席）が使用されています。特急「あかぎ」とは異なり、座席未指定券制度は導入されていません。一部の臨時列車では、勝田車両センター所属のE653系が使用されることもあります。

吾妻線優等列車沿革

「草津」は、1960年（昭和35年）6月1日に臨時準急列車として上野駅 - 長野原駅（現在の長野原草津口駅）間で運転を開始しました。当初は80系電車が使用され、電化されていない区間では蒸気機関車が牽引していました。

1961年（昭和36年）には、列車名が「くさつ」に変更され、毎日運転となりました。1962年（昭和37年）には再度「草津」に名称が戻り、気動車で運転されるようになりました。1966年には急行列車となり、1967年の長野原線電化により電車化され、使用車両は165系電車に変更されました。

1971年（昭和46年）には、運行区間が万座・鹿沢口駅まで延長され、臨時特急「白根」が運転を開始しました。1985年（昭和60年）には、「草津」が特急列車化され、「白根」と統合されて「新特急草津」となりました。

2002年（平成14年）には、エル特急・新特急の名称が廃止され、列車名は全て「草津」となりました。2023年（令和5年）3月18日には、列車名が「草津・四万」に変更され、使用車両がE257系に変更されました。

列車名の由来

「白根」という列車名は、草津温泉が麓にあたる草津白根山に由来しています。

特急「草津・四万」は、長年にわたり、首都圏と群馬県の温泉地を結ぶ重要な役割を果たしてきました。列車名の変更や使用車両の変遷を経て、現在も多くの観光客に利用されています。

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