普悠瑪号

普悠瑪号（プユマごう）とは

台湾鉄路管理局が運行する特急「自強号」の愛称で、2012年に登場したTEMU2000型電車によって運行されています。正式名称は「普悠瑪自強号列車」です。主に宜蘭線、北廻線、電化後の台東線で運行されており、2013年2月6日に営業運転を開始しました。太魯閣号と共に、これらの路線の高速化・増便に大きく貢献しています。

愛称の由来

「普悠瑪号」の愛称は、台湾鉄路管理局と台東県政府が共同で実施した公募によって決定しました。一次選考では「太麻里号」が有力でしたが、最終的にネット投票で最多得票を得た「普悠瑪号」が選ばれました。この決定に対し、太魯閣号を擁する花蓮県の住民からは、組織票の疑いを指摘する声も上がり、一時物議を醸しました。

「普悠瑪」という名称は、プユマ語で「集合・団結」を意味します。また、プユマ族の英語表記「Puyuma」や、彼らの集落である南王部落（普悠瑪部落）の呼称も兼ねています。鉄道ファンからは、その外観から「赤いアヒル」や「サル顔」といった愛称でも呼ばれています。

使用車両：TEMU2000型電車

普悠瑪号専用のTEMU2000型電車は、日本車輌製造によって製造された振り子式車両です。曲線区間を高速で通過できる設計で、カーブの多い宜蘭線での時間短縮に大きく貢献しています。最終的には8両編成19本、計152両が導入されました。

過去の事故

2012年10月25日、台湾に輸送された初日に、基隆駅構内で床下機器がホームに接触する事故が発生しました。これは、作業員の計算ミスによるもので、線路の再敷設時に緩和曲線の半径を誤ったことが原因でした。この事故により、4名の職員が訓戒処分を受けました。

また、この事故を受けて、同様の事態が懸念される箇所についてホームのかさ上げ工事が行われました。基隆駅、暖暖駅、牡丹駅、貢寮駅、和仁駅の5駅でコンクリートが削られ、彰化駅では駅員の昇降用はしごが撤去されました。

2018年10月21日には、宜蘭県蘇澳鎮の新馬駅付近で脱線事故が発生し、18人が死亡、215人が負傷するという痛ましい事故も起こっています。

運行状況

普悠瑪号は、当初「新自強号」という名称で運行を開始しました。運賃は自強号に準じていますが、全席指定であり、立席乗車は原則として認められていません。無断乗車の場合は、正規運賃に加えて50%の追徴金が課されます。ただし、2019年5月2日からは、1列車あたり120枚限定で当日販売の立席券が販売されるようになりました。

現在の運行路線

2020年12月23日のダイヤ改正に基づき、以下の路線で運行されています。

南迴線・西部幹線
東部幹線・南迴線
西部幹線・東部幹線

過去の運行路線

2013年2月6日～春節期間～2月18日：北廻線、宜蘭線（樹林 - 花蓮）
2013年2月下旬以降：北廻線、宜蘭線（樹林 - 花蓮）
2013年5月以降：北廻線、宜蘭線（樹林 - 花蓮）
2013年7月19日-9月1日：夏季ダイヤとして週74本。
2013年9月25日以降：ダイヤ改正により週108本に増発。
2014年7月16日：東部幹線全線電化に伴い台東延伸。
2015年3月24日：2往復が知本駅発着となる。
2015年10月15日：台中線のタロコ号を海線経由とし、普悠瑪号に置き換え。知本駅発着の普悠瑪号をタロコ号に置き換え。
2016年2月6日 - 2月7日：台湾南部地震の影響で、臨時列車を運行。
2016年4月21日：西部幹線系統（松山駅 - 潮州駅）を1往復設定。
2016年10月20日：西部幹線系統（南港駅 - 潮州駅）を週末に1往復増発。
2017年4月：西部幹線系統が毎日運行となる。
2019年12月20日：屏東線枋寮まで乗り入れ開始。
2020年12月23日：南廻線への運行を拡大。

関連情報

台湾鉄路管理局TEMU1000型電車
台湾鉄路管理局TEMU2000型電車
太魯閣号
北宜直線鉄道
花東線
東部幹線
自強号
振り子式電車
プユマ族
卑南郷
宜蘭線普悠瑪号脱線事故

外部リンク

台灣鐵路管理局
台湾鉄路局 特急プユマ号シートマップ(座席表)


普悠瑪号は、台湾の鉄道輸送において重要な役割を担っています。その運行を通じて、多くの人々の移動を支え、台湾の発展に貢献しています。

もう一度検索