菊タロー

菊タローとは

菊タローは、1976年11月17日生まれの日本の覆面レスラーです。その正体は、1994年にFULLでデビューした菊澤光信であるという説が有力です。彼は、コミカルな動きと軽妙なトークで観客を魅了し、プロレス界において独自の地位を確立しています。

プロレスラーとしての経歴

菊澤光信時代

菊澤光信は、栗栖正伸トレーニングジムでトレーニングを積み、1992年にW★INGプロモーションに入門しました。しかし、デビュー前に退団し、同年、ユニバーサル・プロレスリングに入門。1994年には、ユニバーサルが団体名を改称したFULLでデビューしました。

FULL所属時代は、インディー団体を中心に参戦。FULL活動停止後は、フリーとして様々な団体でデスマッチにも挑戦しました。一時的にDDTプロレスリングに所属していた時期もあり、東京愚連隊を結成してアメリカやメキシコの団体にも参戦。この頃から、素顔だけでなく様々な覆面レスラーに変装してインディー団体に登場するようになりました。

えべっさん時代

1999年、大阪プロレスに「えべっさん」として登場。大阪プロレス専属フリー契約選手として、みちのくプロレスにも参戦しました。2004年には大阪プロレスと所属契約を締結。くいしんぼう仮面との「大阪名物世界一選手権試合」を中心とした爆笑抗争や、有名レスラーのコピーで人気を博しました。新日本プロレスや全日本プロレスにも参戦しましたが、2005年4月に大阪プロレスを退団。

「えべっさん」のキャラクターが大阪プロレスの登録商標であったため、以降は「えべ太郎」というリングネームを使用しましたが、これもクレームが入り、最終的に「太郎」として活動しました。

菊タローとしての活動

2005年5月20日からは、「菊タロー」のリングネームを使用。日本国内だけでなく海外の様々な団体で、明るく楽しいプロレスを披露しています。

新日本プロレスの東京ドーム大会にも参戦するなど、その活躍の場は多岐に渡ります。フリー転向直後は大阪プロレスへの参戦がありませんでしたが、後に初代えべっさんとして参戦するようになりました。

2009年には、大阪プロレスお笑い王座、DRAGON GATEのオープン・ザ・お笑いゲートタッグ王座、オープン・ザ・お笑いゲート王座を獲得し、前代未聞のお笑い三冠を達成。「日本一面白いレスラー」としてその名を轟かせました。

2014年には、プロレスリング・ノアのジュニアヘビー級タッグリーグ戦に出場。2016年には、海外遠征のため無期限の活動休止を発表。ラスベガスを拠点に活動していましたが、2020年にコロナ禍の影響で帰国。YouTubeチャンネルを開設し、オンラインでの活動も行っています。

2021年には、スターダムの日本武道館興行に出場しました。

菊タローの人物像

コミカルなプロレスラー

菊タローは、コミカルなムーブと軽妙なトーク、パフォーマンスを惜しみなく披露し、前座から中盤にかけての名脇役として活躍しています。その存在感は主役を食ってしまうほどで、正統派レスラーからは強さとは違った次元で難敵と見なされることもあります。お笑い中心のファイトスタイルですが、ヘビー級、ジュニアヘビー級を問わず対応できる試合スタイルを持っています。

実は器用なレスラー

コミックレスラーとしての印象が強いですが、実は非常に器用で、シャイニングウイザード（菊ザード）、菊落とし、ムーンサルトプレスなどの高度な技も使いこなします。獣神サンダー・ライガーとも名勝負を繰り広げています。

また、やられっぷりも良く、全日本プロレスにチーム3Dが参戦した際には、テーブルに叩きつけられる役を毎試合のように務めていました。これは、インディー時代にデスマッチも経験したからこその受けの強さの証明でもあります。

多彩なキャラクター

分身キャラやコピーキャラの開発も積極的に行い、ZERO1-MAXではP-Force Menの新メンバー「KTP-101.5kg」として、また、「菊藤（きくとう）さん」としても活動。全日本プロレスのファン感謝デーでは、コミッショナー「菊サン・ハンセン」（スタン・ハンセンのコピー）として登場。近年では、ジャンボ鶴田のコピーレスラー「ジャンボ菊」としても登場しました。

覆面レスラーでありながら、ネタのためにはあっさりとマスクをめくって素顔を見せることもあります。

幅広い交友関係

2008年には、プロレスとアキバ系文化を融合させた「アキバプロレス」をプロデュース。現地での試合や動画サイトを通じて、海外にも多くのファンを獲得しています。

多趣味な人物

菊タローは、プロレスだけでなく、ゲーム、アニメ、パチンコ、パチスロ、お笑い、旅行など、多趣味な人物としても知られています。

ゲームに関しては、プロレス界でも屈指のゲーマーとして知られ、「ファミ通」との縁も深く、同誌でコラムを執筆したり、特集記事に寄稿したり、漫画に登場したりしています。YouTubeではほぼ毎日ゲーム配信を行っています。

アニメに関しては、声優としての仕事にも意欲的で、いくつかの作品に出演しています。

お笑いの腕も高く、M-1グランプリにも出場した経験があります。

旅行も趣味であり、海外へ試合に行くこともあります。語学も堪能で、試合交渉も自分で行っています。

得意技

菊タローは、コミカルな技と共に、体格に似合わぬ飛び技も披露します。

菊落とし（旧：えびす落とし）: みちのくドライバーIIと同型の技。
シャイニング菊ザード（旧：シャイニングえべザード）: 武藤敬司ムーブを取り入れたシャイニングウィザード。
シャイニングケンカキック: 蝶野正洋ムーブを取り入れたシャイニングケンカキック。
開運トルネード: スカイツイスタープレスと同型の技。
開運固め、七福神固め、笑福プレス、地獄落とし、えべラルドフロウジョン、財津一郎ストレッチ「タケモトピアノ」
ハワイ式監獄固め
ムーンサルトプレス: たまにしか当たらず、かわされることが多い。
女子プロレスラーへのセクハラ、はずかし固め
パワースラム
エルボードロップ
ドロップキック
レフェリーいじり

入場曲

えべっさん: 商売繁盛! ～大阪プロレス“えべっさん”イメージソング～(唄・遠藤正明)をアレンジしたもの。
菊タロー: GAME（perfume）、忘却のノスタルジア（佐藤裕美）

タイトル歴

大仁田厚プロレスリング ボブワイヤーストリートファイト6人タッグ王座
大阪プロレス 大阪プロレスバトルロイヤル王座、大阪プロレスお笑い王座、大阪名物世界一王座
DDTプロレスリング アイアンマンヘビーメタル級王座
DRAGON GATE オープン・ザ・お笑いゲート王座、オープン・ザ・お笑いゲートタッグ王座
MOBIUS EL Mejor de Mascarad王座、APEX OF TRIANGLE王座
東京愚連隊 東京インターコンチネンタルタッグ王座
OSW OSW認定覆面世界一王座

プロレスラーものまね

菊藤さん（旧：えべ藤さん）: 武藤敬司のモノマネ
菊サン・ハンセン（旧：えべサン・ハンセン）: スタン・ハンセンのモノマネ
菊ドーラ・ザ・ブッチャー（旧：えべドーラ・ブーチャン）: アブドーラ・ザ・ブッチャーのモノマネ
獣神サンダー・菊イガー（旧：獣神サンダー・えべイガー）: 獣神サンダー・ライガーのモノマネ
菊タス・ジャック: カクタス・ジャックのモノマネ
菊菊菊（トリプル菊）: トリプルHのモノマネ
ジャンボ菊: ジャンボ鶴田のモノマネ
ダンプ菊: ダンプ松本のモノマネ
菊浩:馳浩のモノマネ
ブル菊:ブル中野のモノマネ

出演作

えべっさん: 映画『大阪プロレス飯店』、映画『兜王ビートル』、テレビアニメ『超重神グラヴィオンZwei』、ゲーム『半熟英雄4 〜7人の半熟英雄〜』
* 菊タロー: 舞台『アラスタ2 悪魔城DORAKYURAサマ』、テレビアニメ『獣装機攻ダンクーガノヴァ』、テレビ『オールスター感謝祭』、テレビアニメ『PRISM ARK』、テレビアニメ『天体戦士サンレッド』、テレビアニメ『ブラッドラッド』、舞台『夢の中のキミの街』、テレビアニメ『ハマトラ』、パチンコ『CR神音の森』、テレビアニメ『牙狼-GARO- -炎の刻印-』、動画コンテンツ『菊タローのマッスロ』、テレビアニメ『てーきゅう』

菊タローは、そのコミカルなファイトスタイルと多才なキャラクターで、多くのファンを魅了し続けています。

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