菊池武朝

菊池武朝（きくち たけとも）

菊池武朝は、南北朝時代から室町時代前期にかけての武将で、肥後守護代を務めました。菊池氏の第17代当主であり、16代当主菊池武政の子として生まれました。幼名は加賀丸、別名に武興があります。

生涯

1374年、父の死去に伴い12歳で家督を継ぎましたが、幼少のため、一族の菊池武義や武安らの補佐を受けました。しかし、祖父の代からの宿敵である九州探題今川了俊の攻勢は激しく、武朝は高良山から撤退を余儀なくされ、本拠地の肥後菊池城へと逃れました。翌年1375年、水島の変で混乱した今川勢を破り攻勢に転じますが、1377年には大内義弘と大友親世の協力を得た了俊に再び大敗。この戦いで、武朝の補佐役であった武義・武安や同盟者の阿蘇惟武らが戦死し、南朝方の勢力は大きく衰退しました。

1381年には、ついに菊池城も奪われ、武朝は征西大将軍良成親王を奉じ、宇土氏を頼って逃亡。1386年には名和顕興の八代城へ入城しました。1391年に顕興と良成親王が了俊に降伏した後も、武朝は行方をくらませますが、1392年の南北朝合一により南北朝が統一されると、了俊と和睦し、肥後へ帰還。この和睦によって、肥後守護代に任じられたと推定されています。

しかし、その後も少弐貞頼と結び、幕府に対して反抗的な態度を取り続けたため、足利義満の命を受けた渋川満頼や阿蘇惟村らから攻撃を受けました。結果として、菊池氏は肥後守護職を承認されることになりました。1407年、45歳で死去し、後を子の兼朝が継ぎました。墓所は菊池市重味の真徳寺跡にあります。

1384年には、吉野の南朝に『菊池武朝申状』を提出し、菊池氏代々の功績を述べ、自身の忠誠心を明らかにしました。この申状は、江戸時代に編纂された『群書類従』に収録されています。


明治44年（1911年）11月15日、その功績を称えられ、従三位が贈られました。

脚注

参考文献

杉本尚雄『人物叢書 菊池氏三代』吉川弘文館、1988年。
国史大辞典編集委員会編『国史大辞典 4 き - く』吉川弘文館、1984年。

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