華麗なるギャツビー (宝塚歌劇)

宝塚歌劇 ミュージカル『華麗なるギャツビー』

『華麗なるギャツビー』は、アメリカの作家F・スコット・フィッツジェラルドの小説『グレート・ギャツビー』を原作とした、宝塚歌劇団のミュージカル作品です。1991年に初演され、その後も度々再演されている人気作品です。

初演と再演

初演は1991年、雪組によって上演されました。この時、世界で初めて小説をミュージカル化した作品として話題を呼びました。脚本と演出は小池修一郎が担当し、作曲・編曲は吉崎憲治と甲斐正人が手掛けました。

2008年の再演からは、タイトルを原作小説と同じ『グレート・ギャツビー』に改題し、内容も大幅に改訂されました。初演の脚本に加筆修正が加えられ、新曲も追加されたことで、よりドラマティックな作品へと進化しました。特に2008年の月組公演では、規模が拡大され、より見応えのある一本立て作品として上演されました。

2022年にも月組により再演されましたが、一部公演が中止となるアクシデントもありました。しかし、その後の公演では、さらにバージョンアップされた内容で観客を魅了しました。

公演データ

1991年 雪組公演
宝塚大劇場：1991年8月8日～9月17日
東京宝塚劇場：1991年12月3日～12月26日
併演：ショー『ラバーズ・コンチェルト』

1992年 雪組公演
中日劇場：1992年2月2日～2月17日
併演：『ラバーズ・コンチェルト』

2008年 月組公演
日生劇場：2008年9月1日～9月23日
形式：ミュージカル 2幕
タイトルを『グレート・ギャツビー』に改題、一本立て作品として上演

2022年 月組公演
宝塚大劇場：2022年7月16日～8月22日（一部公演中止）
東京宝塚劇場：2022年9月10日～10月9日
一本立て作品として再演

スタッフ

1991年
脚本・演出：小池修一郎
作曲・編曲：吉崎憲治、甲斐正人
音楽指揮：岡田良機（宝塚）、清川知巳（東京）
振付：尚すみれ、前田清実
装置：大橋泰弘
衣装：任田幾英
照明：勝柴次朗
小道具：万波一重
効果：切江勝
音響監督：松永浩志
演出助手：中村一徳
舞台進行：豊田登
制作担当：柏原正一（東京）
制作：巽善明

主な出演者

2008年 月組
汝鳥伶（専科）
磯野千尋（専科）
梨花ますみ（専科）
瀬奈じゅん
越乃リュウ
一色瑠加
遼河はるひ
涼城まりな
青樹泉
城咲あい
憧花ゆりの
妃鳳こころ
美夢ひまり
綾月せり
羽咲まな
光月るう
夏月都
彩央寿音
華央あみり
紗蘭えりか
美翔かずき
沢希理寿
宇月颯
琴音和葉
彩星りおん
瑞羽奏都
紫門ゆりや
白雪さち花
咲希あかね
春咲ころん
華那みかり
舞乃ゆか
煌月爽矢
風凛水花
鳳月杏
花陽みら
星輝つばさ
真凜カンナ

主な配役

1991年 雪組
ジェイ・ギャツビー：杜けあき
デイジー・ブキャナン：鮎ゆうき
ニック・キャラウェイ：一路真輝
トム・ブキャナン：海峡ひろき
ヘンリー・ギャッツ：岸香織
ジョーダン・ベイカー：小乙女幸
ジョージ・ウィルソン：古代みず希
マートル：美月亜優

1992年 雪組
ギャツビー：杜けあき
デイジー：紫とも
ニック：一路真輝
トム：海峡ひろき

2008年 月組
ジェイ・ギャツビー：瀬奈じゅん
デイジー・ブキャナン：城咲あい
ニック・キャラウェイ：遼河はるひ

2022年 月組
ジェイ・ギャツビー：月城かなと
デイジー・ブキャナン：海乃美月
ニック・キャラウェイ：風間柚乃

主な楽曲

朝日の昇る前に(主題歌)
パーティー
アウトロー・ブルース
俺たちの見る夢
過ぎた日
デイジー
恋のホールインワン

作品の特徴と評価

小池修一郎は演出助手時代から本作のミュージカル化を構想しており、自身の演出家デビュー後、企画案を提出しました。初演は実現しなかったものの、その後、小池の3年目の演出作品として上演が実現しました。

本作は、小池が脚色を手掛けた作品の中でも特に人気が高く、外箱公演で再演された後に本公演として再演されたという特異な経緯を持ちます。これは、宝塚歌劇団の歴史の中でも珍しい事例です。

小池は、2017年には東宝版のミュージカル『グレート・ギャツビー』も手掛けており、宝塚版とは異なるアプローチで作品の魅力を引き出しました。

関連資料

『夢を描いて華やかに―宝塚歌劇80年史―』
『宝塚歌劇100年史 虹の橋 渡りつづけて（舞台編）』
タカラヅカスカイステージ関連番組
配信deタカラヅカ

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