菱刈町

菱刈町（ひしかりちょう）とは

菱刈町は、かつて鹿児島県北部に存在した町です。2008年11月1日に大口市と合併し、現在の伊佐市となりました。

地理

菱刈町は、鹿児島県の北部の内陸に位置していました。盆地であるため、冬場は気温が零下まで下がり、降雪も多い地域でした。その気候から、大口市や霧島市福山町上場地区とともに「鹿児島の北海道」と呼ばれることもありました。

町内には川内川が流れ、豊かな自然環境を形成していました。

歴史

菱刈町の歴史は、明治時代の町村制施行に遡ります。

1889年（明治22年）4月1日：菱刈郡前目村・田中村・川北村・徳辺村・重留村・下手村、北伊佐郡市山村・花北村が合併し、菱刈郡菱刈村が誕生。
1897年（明治30年）4月1日：菱刈郡と北伊佐郡が合併し、伊佐郡が発足。
1940年（昭和15年）4月29日：菱刈村が町制を施行し、菱刈町となりました。
1954年（昭和29年）7月15日：伊佐郡本城村と対等合併し、新町制による菱刈町が発足。
2008年（平成20年）11月1日：大口市と合併し、伊佐市となり、菱刈町は廃止されました。

経済

菱刈町の経済は、鉱業と農業が中心でした。

鉱業

菱刈町には菱刈鉱山があり、金鉱石・銀鉱石が採掘されていました。菱刈鉱山は、住友金属鉱山によって開設され、日本の金産出量の大半を占めていました。鉱石単位重量当たりの金の含有量、金品位は世界一を誇っていました。

農業

米（伊佐米）の栽培が盛んで、伊佐米を使用した焼酎「伊佐大泉」の醸造も行われていました。鹿児島県で唯一のカントリーエレベーターが設置されていました。

姉妹都市・提携都市

鹿児島県西之表市（1962年11月10日姉妹都市提携）

教育

町内には、中学校と小学校がありました。

中学校

菱刈町立菱刈中学校

小学校

菱刈小学校
本城小学校
南永小学校
田中小学校
湯之尾小学校

交通

最寄りの空港は鹿児島空港、最寄りの駅は吉松駅または栗野駅でした。かつては山野線が町域を通過しており、西菱刈駅・菱刈駅・前目駅・湯之尾駅の4駅が設置されていました。

バス路線は南国交通が運行し、大口市、湧水町（栗野・吉松）方面へアクセスできました。

道路は、九州自動車道栗野インターチェンジが最寄りで、国道268号が町内を通過していました。

名所・旧跡・観光スポット

湯之尾温泉
湯之尾滝 （ガラッパ公園）
菱刈鉄道記念公園（旧国鉄山野線菱刈駅）
箱崎神社

出身有名人

榎木孝明（俳優）

菱刈町は、豊かな自然と歴史、そして人々の営みが息づく町でした。現在は伊佐市の一部となり、その名は伊佐市の歴史の中に刻まれています。

関連情報

ひしかり観光特産協会

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