落語野郎 大爆笑

落語野郎 大爆笑

1967年2月11日に劇場公開された日本映画で、東宝撮影所によって製作され、東宝の配給で公開されました。色彩はカラー、画面アスペクト比は東宝スコープです。この作品は、人気を博した「落語野郎シリーズ」の第三作目にあたります。

概要

本シリーズは、落語家たちを主演に据え、彼らが巻き起こす騒動を描く喜劇映画として企画されました。第三弾となる本作では、第一作に続いて再び時代劇の世界を舞台としています。

公開当時の日本は、テレビの普及とともに演芸、特にトリオ漫才がブームを迎えていました。その勢いを反映し、本作では当時の人気お笑いタレントが多数キャスティングされているのが最大の特徴と言えます。特に、トリオ・ザ・パンチやナンセンストリオがこのシリーズに初めて参加しました。また、本作のみに出演した顔ぶれとして、獅子てんや・瀬戸わんやや漫画トリオの名前が挙げられます。さらに、てんぷくトリオやWけんじ、牧伸二、東京ぼん太といった、テレビや寄席で人気を集めていた芸人たちが多数出演しており、当時の演芸界のスターたちが一堂に会した豪華な顔ぶれとなっています。

監督は杉江敏男が務めましたが、彼が本シリーズでメガホンをとるのはこれが最後となりました。続く第四作目にして最終作となる『落語野郎 大泥棒』では、松林宗恵が監督を担当しています。

スタッフ・キャスト

製作は清水雅、企画は藤本真澄が手掛け、沢村国男がプロデューサーを務めました。落語監修は安藤鶴夫が担当しています。脚本は新井一と椿澄夫、音楽は神津善行が担当しました。

主要キャストとしては、主演の三遊亭歌奴をはじめ、桂米丸、古今亭志ん馬（六代目）、柳亭小痴楽といった落語家陣が中心を担っています。前述の通り、当時の演芸ブームを象徴するような多様なタレントが出演しており、トリオ・ザ・パンチ（内藤陳、久里みのる、成美信）、ナンセンストリオ（前田隣、岸野猛、江口明）、漫画トリオ（横山フック、横山ノック、上岡龍太郎）、てんぷくトリオ（三波伸介、戸塚睦夫、伊東四朗）などが参加しています。また、都はるみが飴売り役で出演するなど、歌手の参加も見られます。時代劇の重鎮である中村是好や、当時の若手女優である酒井和歌子、ベテランの塩沢とき、笠置シヅ子といった俳優陣も物語に厚みを加えています。

同時上映作品

本作は『国際秘密警察 絶体絶命』と同時上映されました。この作品は、都筑道夫の原作を関沢新一が脚色し、谷口千吉が監督を務めた、三橋達也主演のアクション映画です。東宝と宝塚映画の共同製作による、国際秘密警察シリーズの第五作目にして最終作にあたります。

「落語野郎 大爆笑」は、シリーズの中でも特に時代のトレンドを色濃く反映した一本であり、当時の演芸界の熱気を伝える貴重な記録とも言えるでしょう。

（参考文献：各種映画データベース、当時の映画資料）

もう一度検索