著作権協会国際連合

著作権協会国際連合（CISAC）とは

著作権協会国際連合（Confédération Internationale des Sociétés d´Auteurs et Compositeurs, International Confederation of Societies of Authors and Composers）、略称CISAC（シサック）は、世界各国の著作権管理団体が加盟する非営利の国際組織です。音楽、ドラマ、視聴覚著作物、文芸、グラフィックアートなど、多岐にわたる分野の創作者の権利を保護しています。

1926年にパリで設立されて以来、CISACは世界中の著作権管理団体をまとめ、創作者の権利擁護のために活動してきました。現在では、111ヵ国と4地域の217団体が加盟しており、250万人以上の創作者の権利を代理しています。

本部をパリに置き、ブダペスト、ブエノスアイレス、シンガポールに支局を設けています。総会は2年に1度、加盟国の持ち回りで開催され、その重要性から「著作権オリンピック」と呼ばれることもあります。

CISACの活動

CISACは、著作権の国際的な保護と管理に関する様々な活動を展開しています。主な活動としては、以下の点が挙げられます。

創作者の権利の代理: 世界中の創作者の権利を代理し、著作物の利用許諾や使用料の徴収、分配などを行っています。
著作権保護期間の延長: 著作権の保護期間延長を各国政府に働きかけ、創作者の権利保護を強化しています。
私的録音録画補償金制度の維持・拡大: 私的録音録画補償金制度の維持・拡大を求め、創作者への補償を充実させる活動をしています。
国際標準視聴覚番号（ISAN）の運用: 2003年には、国際標準視聴覚番号（ISAN）規格を運用するために、GICOA、FIAPFとともにISAN-IA（国際標準視聴覚資料番号機構）を設立しました。
文化振興への貢献: 文化コンテンツの保護を通じて、文化の発展を支援しています。

日本との関わり

日本からは、以下の団体がCISACに加盟しています。

日本音楽著作権協会（JASRAC）: 1960年にいち早く加盟し、1980年からは理事団体として、20人の理事会を構成しています。
日本脚本家連盟: 1987年に加盟しました。
日本美術著作権機構: 1999年に加盟しました。

1984年には東京で総会が開催され、1999年には理事会が東京で開催されました。これらのことから、日本とCISACの関わりは非常に深いと言えます。

戦時加算問題への取り組み

CISACは、日本の著作権法における戦時加算問題の解消にも積極的に取り組んできました。

「著作権問題を考える創作者団体協議会」は、CISACに対して戦時加算問題の解消を求める書簡を送付し、CISACはこれに賛同しました。2007年の総会では、加盟団体に対して、戦時加算分の権利を行使しないよう働きかける決議が全会一致で採択されました。

この決議は、戦時加算分の10年の倍にあたるプラス20年の著作権保護期間の延長を前提として、加算分の放棄を呼びかけるものでした。その後、CISAC事務局長からも、各政党の党首宛に、この決議への理解と支持を求める書簡が送られました。

加盟団体の国籍

CISACには、世界中の様々な国や地域から団体が加盟しています。以下に、加盟団体の国籍の一部を列挙します。

ホンジュラス、ブラジル、コスタリカ、カナダ、キューバ、イギリス、イスラエル、フランス、グアテマラ、ギリシア、ウルグアイ、ラトビア、オーストリア、アルバニア、アメリカ、パラグアイ、ペルー、日本、アルゼンチン、アルメニア、エクアドル、ハンガリー、モルドバ、ベネズエラ、ブルキナファソ、コンゴ、ギニア、ドイツ、モロッコ、ニジェール、ノルウェー、ベリーズ、セネガル、ベナン、中央アフリカ、オランダ、マリ、コートジボワール、スウェーデン、トーゴ、香港、トリニダード・トバゴ、カメルーン、台湾、シンガポール、デンマーク、バルバドス、ガーナ、マラウィ、タンザニア、チリ、南アフリカ、スペイン、チェコ、メキシコ、エストニア、セントルシア、ブルガリア、フィリピン、クロアチア、アイルランド、インド、ジャマイカ、カザフスタン、インドネシア、フィンランド、韓国、キルギスタン、リトアニア、スロバキア、マレーシア、モーリシャス、中国、ケニア、ナイジェリア、タイ、トルコ、アゼルバイジャン、ネパール、ナミビア、ベラルーシ、ニカラグア、マダガスカル、アルジェリア、チュニジア、モンテネグロ、スイス、ロシア連邦、ルクセンブルク、エジプト、エルサルバドル、アンゴラ、南アフリカ、ジョージア、スリナム、コロンビア、スロベニア、アイルランド、ギニアビサウ、ドミニカ共和国、イタリア、ボリビア、ベルギー、セルビア、モザンビーク、ポルトガル、パナマ、ボスニア、アイスランド、ウクライナ、ルーマニア、バチカン市国、ウガンダ、ベトナム、ポーランド、ザンビア、マケドニア、ユーゴスラビア、ジンバブエ

これらの団体を通じて、CISACは世界中の創作者の権利を保護し、文化の発展に貢献しています。

まとめ

CISACは、世界中の著作権管理団体が連携し、創作者の権利を守るための重要な組織です。その活動は、音楽、映画、文学、美術など、多様な分野における文化の発展に不可欠な役割を果たしています。

外部リンク

公式サイト

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