蒲池鎮漣

蒲池鎮漣（かまち しげなみ）

蒲池鎮漣は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した武将で、筑後十五城の筆頭大名として知られています。彼は蒲池氏の17代目当主であり、兄の蒲池鎮久と共に大友義鎮（宗麟）から偏諱を賜り、「鎮漣」と名乗りました。

生涯

家督相続と大友氏からの離反

父・蒲池鑑盛には、長男の鎮久、次男の鎮漣、三男の統安、四男の統春がいましたが、嫡男である鎮漣が家督を継ぎ、兄の鎮久は家老として彼を補佐しました。天正6年（1578年）、耳川の戦いでは、父や弟と共に大友方として出陣しましたが、大友氏からの独立を志向していた鎮漣は、病を理由に自軍を率いて柳川へ帰還しました。この戦いで父と弟は討ち死にしました。

龍造寺隆信との確執

鎮漣は当初、龍造寺隆信に協力し、筑後国への進攻を支援しました。しかし、両者の関係は次第に悪化し、隆信は天正9年（1581年）に2万の兵で柳川城を包囲しました。難攻不落の柳川城は容易には落ちませんでしたが、長期の籠城で城兵は疲弊し、兵糧も尽きたため、鎮漣は伯父の田尻鑑種の仲介で隆信と和睦しました。和睦の条件として、鎮漣は隆信の娘（玉鶴姫）を娶ることになりました。

しかし、鎮漣は密かに薩摩の島津氏に接近していました。これを知った隆信は、蒲池氏が島津氏の傘下に入ることを恐れ、家臣の鍋島直茂や田尻鑑種と共に鎮漣の謀殺を計画しました。隆信は和解の宴と称して鎮漣を誘い出そうとしましたが、鎮漣はこれを拒みました。しかし、隆信の使者が執拗に鎮漣の母や重臣を説得したため、最終的に鎮漣は宴に出席することになりました。

鎮漣の死と柳川の戦い

鎮漣は、兄の鎮久を含む200名の精鋭を率いて柳川を出発しました。肥前に入った鎮漣は、佐賀城で隆信の嫡男・政家の歓待を受けましたが、翌日、与賀神社の近くで龍造寺の部隊に襲撃され、自害しました。鎮久をはじめとする郎党も全員討ち死にしました。隆信は鎮漣の死後、直ちに柳川の蒲池一族の抹殺を命じ、柳川の戦いが勃発しました。この行動は、龍造寺氏の衰退を招いた要因の一つとなりました。

鎮漣の妻である玉鶴姫は、父である隆信が夫を殺害したことを知ると、実家には戻らず、夫を追って自害しました。

系譜

母: 蒲池徳子（徳姫） - 肥後菊池氏の一族、赤星統家の娘
子:
蒲池久鎮（宗虎丸、蒲池統虎）
蒲池経信
蒲池鑑続（首藤鑑続）
女子（龍造寺政家の重臣石井孫兵衛室）- 母は龍造寺隆信の娘（玉鶴姫）

幸若舞

鎮漣は幸若舞の名手としても知られており、蒲池氏が京都から芸人を招いて家臣に習わせたことで、瀬高の大江神社には現在も幸若舞が伝わっています。

まとめ

蒲池鎮漣は、戦国時代の複雑な権力闘争の中で、独立を追求し、悲劇的な最期を遂げた武将です。彼の生涯は、地方領主の苦悩と、戦国時代の激しい時代の流れを物語っています。

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