蔡 (姓)

蔡（さい）について

蔡（さい）は、中国と朝鮮にみられる姓です。漢字の「蔡」は、中国語では「cài」（ツァイ）、朝鮮語では「chae」（チェ）と発音されます。

中国における蔡姓

中国では、蔡姓は比較的多い姓の一つです。2020年の国勢調査によると、中国で38番目に多い姓であり、約684万人が蔡姓を名乗っています。特に、華東や華南の沿海部、そして台湾に多く分布しており、台湾南部では総人口の3%以上を占める地域も存在します。台湾では2018年の統計で9番目に多い姓であり、約68万人がいます。

また、閩南語（びんなんご）では「チュア」（Chua）と発音され、シンガポール、マレーシア、インドネシアなど東南アジアの華人の間でもよく見られる姓です。

中国における蔡姓の著名な人物

中国史には、蔡姓の著名な人物が数多く存在します。

蔡沢（さい たく）：戦国時代の秦の宰相。
蔡倫（さい りん）：後漢の宦官で、実用的な製紙法を発明したとされる。
蔡邕（さい よう）：後漢の政治家、儒学者、書家。
蔡琰（さい えん）：後漢末から三国時代の詩人。蔡邕の娘で、字は昭姫、後に文姫とも呼ばれ、「蔡文姫」としても知られる。
蔡襄（さい じょう）：北宋時代の書家、文人。
蔡京（さい けい）：北宋時代の政治家、書家。
蔡元培（さい げんばい）：北京大学の学長。
蔡鍔（さい がく）：清末から中華民国にかけての軍人。
蔡廷鍇（さいてい かい）：中華民国から中華人民共和国にかけての軍人・政治家。
蔡明亮（さい めいりょう）：マレーシア出身で、台湾で活動する映画監督。
エイミー・チュア（蔡美儿）（えいみー ちゅあ、さい びあ）：アメリカの法学者、弁護士。『タイガー・マザー』の著者。
蔡英文（さい えいぶん）：中華民国の政治家で、第14・15代総統。
タニア・チュア（蔡健雅）（たにあ ちゅあ、さい けんが）：シンガポールの歌手。
蔡佩穎（さい はいえい）：中華民国の女子プロゴルファー。

朝鮮における蔡姓

朝鮮半島における蔡姓は、韓国語では「チェ」と発音されます。2015年の国勢調査によると、韓国では約13万人が蔡姓を名乗っています。

朝鮮における蔡姓の著名な人物

朝鮮の歴史や現代にも、蔡姓の著名な人物がいます。

蔡忠順（さい ちゅうじゅん）：高麗時代の文臣。
蔡靖（さい せい）：高麗時代の文臣。
蔡済恭（さい さいきょう）：李氏朝鮮の文臣。
蔡万植（さい ばんしょく）：日本統治時代の朝鮮の小説家。
蔡喜正（さい きせい）：朝鮮民主主義人民共和国（北朝鮮）の政治家。
蔡汶植（さい ぶんしょく）：韓国の政治家で、元国会議長。
蔡栄喆（さい えいてつ）：韓国の国会議員。
蔡映錫（さい えいしゃく）：韓国の国会議員。
蔡日炳（さい にちへい）：韓国の国会議員。
蔡秀燦（さい しゅうさん）：韓国の国会議員。
蔡利培（さい りばい）：韓国の国会議員。
蔡鉉一（さい げんいち）：韓国の国会議員、元ソウル特別市永登浦区庁長。

関連項目

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蔡姓は、中国と朝鮮の歴史と文化の中で重要な役割を果たしてきた姓の一つと言えるでしょう。

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