藤井家

藤井家：由緒ある公家・華族の歴史

藤井家は、歴史ある卜部氏を祖とする公家・華族の家系です。公家としての家格は半家、華族としては子爵位に叙せられました。代々、平野神社などとの関わりを持ち、朝廷や神社との深い結びつきを保ちながら、華族社会において重要な役割を果たしました。

歴史

藤井家の起源は、神祇大副を務めた卜部兼忠の次男、卜部兼国に遡ります。当初は猪熊を名乗っていましたが、兼充の代である宝永6年（1709年）に藤井と改姓しました。公家としての家格は半家であり、従二位非参議を極位極官としました。江戸時代の家禄は30石とされています。

明治維新後の明治2年（1869年）、行政官達により公家と大名家が統合され華族制度が成立すると、藤井家も公家として華族に列しました。その後、明治17年（1884年）の華族令施行により華族の爵位が五爵制になると、旧堂上家として行道が子爵に叙せられました。これは、大納言への直任の例がない旧堂上家への配慮によるものでした。

2代子爵藤井行徳は、宮中祗候を務める傍ら、白峯宮、松尾神社、平野神社など複数の神社の宮司も務めました。さらに、貴族院の子爵議員として政治にも参画しました。このように、藤井家は宗教と政治の両面において、社会に貢献しました。

3代子爵藤井兼誼の代には、京都市上京区東竹屋町に居住していました。

系譜

（系図は、情報提供元からの情報が不足しているため、記述できません。）

参考文献

浅見雅男『華族誕生 名誉と体面の明治』リブロポート、1994年
小田部雄次『華族 近代日本貴族の虚像と実像』中央公論新社〈中公新書1836〉、2006年
華族大鑑刊行会『華族大鑑』日本図書センター〈日本人物誌叢書7〉、1990年
橋本政宣 編『公家事典』吉川弘文館、2010年
霞会館華族家系大成編輯委員会『平成新修旧華族家系大成』下巻　霞会館、1996年
近藤敏喬編『宮廷公家系図集覧』　東京堂出版、1994年

関連事項

半家
卜部氏
* 武者小路家（藤井行学の長女・菅子の嫁ぎ先）

まとめ

藤井家は、卜部氏を起源とする長い歴史を持つ公家・華族の家系です。公家としての伝統と、華族としての栄誉を兼ね備え、朝廷や神社、そして政治の世界において重要な役割を果たしました。その歴史と系譜は、日本の近世から近代にかけての社会構造を知る上で重要な資料となっています。 本稿では、既存の文献に基づいて藤井家の歴史を概観しました。より詳細な情報については、上記の参考文献を参照ください。

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