虞翻

虞 翻 (ぐ ほん) の生涯と業績

虞翻は164年から233年にかけて生きた中国後漢末期から三国時代の学者および政治家です。揚州会稽郡餘姚県出身で、呉に仕えました。彼は字を仲翔といい、多くの著名な先祖を持ち、父は虞歆、子は11人の男子を含む虞汜、虞忠、虞聳、虞昺などがいます。彼の生涯については『三国志』の呉志に記録されています。

学問に励む若き日々

虞翻は若い頃から学問に熱心でした。彼の名声は、兄に面会を求めて現れなかった客に対して、手紙を送りその見識を皮肉ったことから始まりました。この手紙が評価され、虞翻の名は広まりました。最初は王朗に仕官し、功曹として職務を遂行しました。

孫策との関わり

王朗は孫策と敵対し、孫策軍が迫った際には、家族の喪中にもかかわらず王朗に会って避難を勧めました。王朗が命令を無視し戦った末に敗北したため、虞翻は王朗を追い、彼を守るために尽力しました。後に孫策から招聘を受け仕官し、彼の側近として重要な役割を果たしました。

虞翻は孫策の軍事行動にも同行し、華歆の降伏交渉を成功させるなど、その策略が高く評価されました。孫策の帰還後も、彼は会稽郡の事務を担当し続けました。孫策は虞翻を後漢朝廷に派遣しようとしましたが、虞翻は残留を希望しました。

孫権の時代と晩年

虞翻は後に孫権にも仕え、騎都尉として活動しました。易経の研究に時間を捧げ、自らの注釈書を著し、名声を確立しました。しかし、率直すぎる言動が問題視され、最終的には左遷されました。丹陽郡で生活するうちに、学問を深め、数多くの弟子たちを育成しました。

彼は伝統的な易経を基にして様々な著作を残し、著名な学者たちに高く評価されました。孫権が皇帝に即位した際、再び許されるも、故郷には戻らず南方で研究を続けました。

無二の才能と公正な姿勢

虞翻は才能だけでなく、公正な判断でも知られました。彼は官職で出世した丁覧や徐陵を認めて彼らの出世を助け、その知識を広める努力を惜しみませんでした。また、彼が公孫淵への征伐に反対した際は、自らの忠告を信じて行動しましたが、その結果には影響を与えられませんでした。

死後の評価

彼の死後、孫権は彼の存在を偲び、子供たちを召集し将来を託しました。虞翻の教えや思想は後々の学問や思想に受け継がれ、彼の名は後世の文献にも残りました。彼は後漢末から三国時代にかけて、その卓越した才能で数多の業績を成し遂げた偉大な人物とされています。彼の人物像は、現代においても多くの研究や作品に影響を与えづけています。

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