袁山松

袁山松（えん さんしょう）

袁山松（生年不詳 - 401年）は、東晋時代に活躍した官僚、歴史家、そして音楽家です。陳郡陽夏県を本貫とします。

人物

清の厳可均は、『全晋文』において、袁山松の本名は袁崧であり、山松は字であるとしています。袁喬の子として生まれ、若くしてその才能を開花させました。博学であることはもちろん、文章の才能にも秀でていました。さらに、音楽の才能にも恵まれ、特に古い歌である「行路難」を好んで歌いました。酔った状態でこの歌を歌うと、聴く者は皆涙を流したと言われています。

当時の人々は、羊曇の唱楽、桓伊の挽歌、そして袁山松の「行路難」を「三絶」と称えました。また、張湛が葬儀場の前に松や柏を植えることを好み、袁山松が出かけるたびに側近に挽歌を作らせることを好んだため、「湛は屋下に屍を並べ、山松は道上に殯を行う」と評されました。

謝混の娘に求婚し、妻として迎えました。その後、様々な要職を歴任し、呉国内史にまで上り詰めました。

最期

隆安5年（401年）5月、孫恩の乱が発生し、袁山松は滬瀆の守備を任されました。しかし、滬瀆の城は反乱軍によって落とされ、袁山松自身も殺害されるという悲劇的な結末を迎えました。

著作

袁山松は『後漢書』100巻を著しましたが、現存しているのは『太平御覧』に引用された「光武紀論」「章帝紀論」「献帝紀論」の3つのみとなっています。

伝記資料

彼の生涯は、『晋書』巻83 列伝第53に詳しく記されています。この記述を通して、彼の業績や人となりを知ることができます。

袁山松は、激動の時代を生きた多才な人物でした。彼の音楽に対する情熱、歴史家としての功績は、今もなお語り継がれています。

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