西方寺 (長野市)

西方寺（さいほうじ）

西方寺は、長野県長野市に位置する浄土宗の寺院です。安養山極楽院と号し、本尊として四尺の阿弥陀如来像を安置しています。脇侍には跪坐の観音菩薩と勢至菩薩が配されています。

歴史

寺伝によると、西方寺の創建は正治元年（1199年）に遡ります。法然上人が善光寺を参詣した際、空海が創建したと伝わる宝乗寺を、法然の孫弟子である記主禅師が浄土宗に改宗し開創したとされています。さらに、記主禅師の孫弟子である良慶明心は、善光寺南大門に談義所を設け、仏弟子育成に尽力しました。

往時は権堂の往生院にありましたが、低湿地であったため、永正元年（1504年）に誠譽上人によって現在地に移されました。元和元年（1615年）に善光寺が焼失した際には、その本尊が一時的に当寺に移され、現本堂建立の際にも本尊が安置されました。

明治時代には、中野騒動後の明治4年（1871年）に長野県が成立すると、明治6年（1873年）まで県庁の仮庁舎として使用されました。本堂には赤い絨毯が敷かれ、靴のまま執務が行われました。また、明治24年（1891年）に再建された庫裡は、昭和23年（1948年）から昭和25年（1950年）まで長野労働基準局として利用されました。

近年では、観無量寿経立体マンダラ堂と阿弥陀佛説法像が建立され、2010年6月21日にはダライ・ラマ14世による仏像開眼法要と胎内仏奉納が行われました。

伽藍

現存する本堂は、天明7年（1787年）に建立されたもので、弘化4年（1847年）の善光寺地震でも焼失を免れた長野町で最古の建築物です。11間14面の大伽藍であり、本尊の阿弥陀如来の他に、釈迦涅槃像、地蔵菩薩像、善導大師像、法然上人像などが安置されています。また、善光寺大本願と当寺の歴代上人の位牌も祀られています。

墓地には、冢田旭嶺（冢田大峯・慈延兄弟の父）などの墓があります。また、善光寺七名所のひとつである無方池は、門の南側に位置しています。

参道の右側には祐天の念仏碑、左側には徳本の念仏碑が建立されています。

参考文献

• - 『探訪 信州の古寺 浄土教・日蓮宗』1996年 郷土出版社

関連項目

• - 長野県庁舎

外部リンク

• - 西方寺

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