諸葛誕の乱

諸葛誕の乱

諸葛誕の乱は、中国三国時代の魏における重要な内乱であり、257年に発生しました。この反乱は、魏の征東大将軍であった諸葛誕が、権力を掌握していた司馬昭に対して起こしたものです。諸葛誕の乱は「寿春三叛」の一つとして位置付けられ、最終的な反乱となりました。

背景

魏の末期において、諸葛誕は親友であった鄧颺や夏侯玄が相次いで暗殺される様子を目の当たりにしました。また、過去には王淩や毌丘倹が挙兵して三族皆殺しにされていたことから、司馬昭の権力に対する不満が募りました。彼は、官府の財物を用いて人々を救済し、罪人を赦免するなどして人心を掴む努力をしました。また、揚州の数千人の侠客を養って自らの私兵としました。

甘露元年（256年）の冬、呉が軍事行動を起こすとの情報を受け、諸葛誕は自軍で防御が可能であるにもかかわらず、10万の兵を動員して寿春を守る意向を朝廷に訴えました。更に、淮水近くに城を築いて呉軍の侵攻に備えることを求めました。

当時、司馬昭は政権を掌握したばかりで、長史の賈充は軍の動向を探るよう進言しました。そして司馬昭は賈充の進言に従い、諸葛誕を淮南に派遣しました。会談の際、賈充は多くの人が政権の禅譲を望んでいると諸葛誕に尋ねましたが、彼は国家への忠義を強調し、その考えを否定しました。賈充は諸葛誕の影響力を懸念し、早期の行動を進言しました。

反乱の開始

甘露2年（257年）4月、司馬昭は諸葛誕を名誉職である司空に任命し召還するよう命じましたが、諸葛誕は入朝時の暗殺を恐れ、侍郎・楽綝を殺害し、反乱を決意しました。彼はさらに、数十万の官兵や新たに募集した兵士を集め、十分な食糧を確保して籠城の態勢を整えました。

その後、軍が多忙を極める中、諸葛誕は自身の末子を呉に派遣して援軍を求め、呉との同盟を結び自らの立場を強化しました。これにより、魏との前線がある合肥新城の防備を減らし、さらに兵力を集めることが可能となりました。間もなく、司馬昭は魏帝・曹髦を連れ、反乱平定の軍を指揮し、諸葛誕に対する圧力を強化しました。

戦闘の経過

魏軍はアクティブに動き、包囲攻撃を行いましたが、諸葛誕は内部で食糧が枯渇しつつあり、兵士たちの士気が低下し始めました。彼の部下であった文欽と全懌は、それぞれの意見を持っていましたが、状況が悪化する中で内紛が生じました。最終的に、文欽は諸葛誕に反抗し、司馬昭に投降しました。

諸葛誕は依然として籠城を続けましたが、投降を選択せざるを得ない状況へと追い込まれました。彼は城から脱出を試みるも、攻撃を受け、最終的に捕らえられました。この際、諸葛誕の三族もまた誅殺されています。この反乱は、司馬氏が魏を掌握するための礎となったと言えるでしょう。

結末と評価

乱の鎮圧後、司馬昭は魏の朝廷内での権力を強化し、相国に任じられました。彼の力は、次第に魏の運営において絶対的なものとなっていきました。歴史家たちは、もし呉がもっと早く魏に対抗していれば、結果が異なっていたかもしれないとも評価しています。魏軍による寿春の包囲を解く事ができる人材に恵まれないまま、諸葛誕は運命に翻弄された姿が描かれています。

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