賈模

賈模（か も）

賈模は、西晋時代の政治家であり、字は思範。西晋建国の功臣である賈充の族子にあたります。

生涯

幼い頃から志を抱き、書物を広く読み、深い思慮と優れた才知を持っていました。策略に長け、決断力もあったとされています。

賈充からの信頼は厚く、事あるごとに相談を受けていました。賈充が自身の死後に悪評が立つことを憂慮していた際には、「評価は既に定まっており、覆い隠すことはできない」と答えたと伝えられています。

邵陵県令を最初に任官し、その後、二宮（朝廷と東宮）尚書吏部郎に任じられましたが、職務上のことで免官となりました。その後、車騎司馬に任じられています。

290年に司馬炎が死去し、司馬衷（恵帝）が即位すると、賈充の族妹である賈南風が皇后に立てられました。これにより、賈模は皇族の外戚として政治の中枢に関わるようになります。

291年、賈南風が楊駿を排除する政変を起こすと、賈模もこの計画に加担し、賈氏一族が台頭するきっかけを作りました。この功績により平陽郷侯に封じられ、1000戸の食邑を与えられます。

同年、賈南風が汝南王司馬亮と衛瓘を排斥するために楚王司馬瑋に密詔を与えた際には、賈模は中軍の騎兵を率いて司馬亮と衛瓘の救援に向かったとされています。しかし、司馬瑋は司馬亮と衛瓘を殺害し、後に罪に問われ処刑されました。

賈南風が政治の実権を握ると、賈模は散騎常侍、侍中と昇進し、国政を補佐しました。賢臣である張華を推挙し、共に政治を行ったことで、国内は一時的に安定したと評価されています。その後、光禄大夫を加えられました。

賈模は権力争いを避け、政治に深く関わることを避けようとしていたと言われています。賈南風から政治について相談を受けても、用事を理由に会うのを避けたり、体調不良を訴えたりしたと伝えられています。

299年、賈南風の専横が酷くなると、賈模は張華、裴頠と賈南風の廃立を計画しましたが、最終的には実行されませんでした。賈模は賈南風に諫言を繰り返しましたが、聞き入れられず、次第に疎まれるようになります。讒言により賈南風からの信頼を失い、憂憤のうちに病死しました。

死後、車騎将軍・開府儀同三司を追贈され、「成」と諡されました。

評価

賈模は政治手腕に優れていた一方、嫌悪する人物を容赦なく陥れることもあったため、朝廷内では恐れられていました。また、貪欲に蓄財を行ったため、その財産は王侯に匹敵するほどだったと言われています。

子

賈游 - 字は彦将。賈模の後を継ぎ、太子侍講・員外散騎侍郎に任じられたと伝えられています。

参考文献

『晋書』- 巻31 列伝第1　巻40 列伝10
* 『資治通鑑』- 巻82 - 巻83

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