起利錦利郎

起利錦 利郎について

起利錦 利郎（きりにしき としろう、1962年8月31日生まれ）は、群馬県桐生市出身の元大相撲力士です。彼は本名を山田 利郎（やまだ としろう）といい、東京の大田区で生まれました。188cmの身長に173kgの体重を誇り、彼の愛称は「キリちゃん」です。得意技は右四つの相撲で、1987年3月場所において最高位の東前頭2枚目に到達しました。現在、彼は年寄・勝ノ浦として伊勢ノ海部屋で後進の指導にあたっています。

来歴

彼は中学卒業後、知人の紹介で鏡山部屋に入門し、1978年3月場所で初土俵を踏みました。入門当初は部屋の生活に苦労し、序二段から抜け出せませんでしたが、厳しい稽古を重ねることで右四つ相撲の技術を磨き、番付を上げていきました。1985年11月場所では東幕下15枚目の地位で全勝を果たし幕下優勝を達成。その後1986年1月場所で十両昇進を果たし、同年の7月場所には新入幕を果たしました。

初の幕内での取り組みは1987年3月場所に行われ、千代の富士との対戦では金星を獲得。しかし、最後は4勝11敗で終わり、以後は上位での勝ち越しが難しくなりました。体重が増加する中で怪我が多くなり、内面的な成長もありましたが、三役には達しませんでした。特に強靭な体躯を生かした強引な相撲が若い女性ファンから支持されていました。

引退後の活動

1993年3月場所に左膝を傷め十両に降下、その後は健闘を続けましたが、1995年3月場所には幕下にまで落ち、同年11月場所で現役を引退しました。現役を退いた後は年寄となり、鏡山部屋での指導を開始しました。その後、立川、浅香山、雷と名跡を借り、2012年に勝ノ浦を名乗ることとなります。2013年には正式に勝ノ浦を取得し、役員としても活躍しています。

特に2024年には理事に新任され、危機管理部長やコンプライアンス部長としての職務も担っています。また、東京都大田区蒲田でちゃんこ料理店『起利錦』を経営しており、親方業の傍らで飲食業にも手を広げています。

エピソード

引退間際のエピソードでは、1992年3月場所に珍しく不戦勝と不戦敗が重なる経験をしました。相手の休場による不戦勝を得た後、稽古中に負傷し千秋楽を休場したため、このような二日続けての特殊な結果となってしまいました。このエピソードはやくみつるによって四コマ漫画にも描かれ、多くのファンの記憶に残っています。

引退記者会見や断髪式には師匠が体調不良のため不在でしたが、伊勢ノ海親方が代わりに出席しました。趣味は歴史小説の読書であり、特に幕末物を好む彼は司馬遼太郎の作品を愛読していました。また、ハードロックやヘヴィメタルの愛好家でもあり、現役時代には『BURRN!』誌でコラムを連載していました。特に1991年のロンドン公演では、憧れのバンドであるディープ・パープルと同舞台に立つという思い出深い経験をしています。

主な戦績

• - 生涯成績: 551勝547敗77休（勝率.502）
• - 幕内成績: 213勝248敗49休（勝率.462）
• - 現役在位: 107場所
• - 幕内在位: 34場所
• - 金星: 3個（千代の富士、双羽黒、北勝海）
• - 幕下優勝: 1回（1985年11月）

起利錦の人生と相撲人生は、数々の経験と共にファンに愛され続けています。

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