趙累

趙累（ちょう るい）について

趙累は、中国の後漢時代末期に生きた人物で、関羽の忠実な部下として知られています。彼の生没年は不詳ですが、戦乱の中での彼の活動は多くの記録に残されています。

事績

建安24年（219年）に発生した樊城の戦いでは、関羽が主導する軍と呂蒙軍との激しい戦闘が繰り広げられました。この戦いの中で、趙累は関羽の指揮のもとで従軍し、荊州の奪還を目指しました。しかし、呂蒙軍の巧妙な策略により、関羽軍は敗北を喫し、樊城の拠点を失うこととなります。その後、趙累は同年の12月、章郷で潘璋軍の馬忠に捕らえられ、この時点で関羽とその息子の関平は処刑されてしまいます。趙累はその後の動向が不明であり、彼の運命を知る者はいません。

三国志演義における趙累

小説『三国志演義』では、趙累の名前が第73回で初めて登場します。この物語の中で、関羽は潘濬に留守を頼み、彼の部下である王甫は潘濬について「彼は嫉妬心が強く、私利私欲を優先するため、代わりに趙累を任命すべきだ」と進言します。この際、趙累は誠実で清廉な人柄として描かれ、彼を用いることが強く推奨されました。しかし、関羽は糧料官の役割も重要視し、王甫の提案には従わなかったのです。

その後、趙累は関羽の樊城攻撃に参加しますが、背後の荊州を守っていた糜芳や傅士仁が呂蒙軍に降伏したため、樊城の攻略を断念せざるを得ませんでした。趙累は、劉備に対して救援を求めつつ、荊州奪還のためにこの方針を進言します。また、背信行為に出た呂蒙を手紙で非難し、彼の反応を見極めることも提案しました。しかしこの手紙の送信は、呂蒙が関羽配下の兵士の家族を手厚くもてなしていることを伝える結果となり、そのためにある兵士たちが脱走する事態を招いてしまいました。

さらに趙累は、上庸の劉封や孟達への救援要請を提案しましたが、彼らはこれを拒否しています。関羽は麦城に立てこもり、援軍を待ち続けましたが、上庸からの援助は一向に訪れませんでした。そんな中、趙累は益州への逃亡を提案しましたが、彼らは朱然や潘璋に待ち伏せをされ、乱戦に巻き込まれます。最終的に、趙累は関羽よりも早く戦死してしまうのです。

結論

趙累の人生と行動は、混乱の時代の中で彼が果たした役割を語ります。彼の忠誠心や戦略的な思考は、数々の戦闘の中で示されたものですが、彼の最期は歴史の闇に葬られてしまっています。彼の名は今も多くの物語に、英雄たちの忠実な部下として記憶されています。

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