趙韙

趙韙の生涯とその業績

趙韙（ちょう い）は、後漢時代に活動した政治家、軍人であり、本貫は益州巴西郡安漢県です。彼の名は『三国志』や『英雄記』『華陽国志』などの歴史書に記載されています。趙韙は、戦乱の時代における政治的動向や軍事的な活動を通じて、その足跡を残しました。

経歴の始まり

中平5年（188年）、地方に野心を抱いていた劉焉が益州牧に任じられ、趙韙は太倉令として官を辞し、劉焉に従いました。興平元年（194年）、劉焉が亡くなると、趙韙は州の帳下司馬として、治中の王商と共に劉璋を後継者に選びました。劉璋は温和な性格でしたが、そのリーダーシップにおいては決定的な力を欠いていました。このため、彼配下の沈弥や婁発、甘寧らは荊州別駕の劉闔と共に反乱を試みましたが、結局は敗北し、荊州に逃走しました。

軍事的な活動

その後、趙韙は征東中郎将に任命され、荊州に攻め入り胊忍県に駐屯しました。また、興平2年（195年）には、巴郡の統治を再編成することを提案し、巴郡、永寧郡、固陵郡の三つに分割することを実現しました。この分割により、地域の統治が改善され、ある程度の安定をもたらしました。

しかし、益州では、南陽郡や三輔からの数万家の避難民が存在し、彼らを基に編成された「東州兵」が暴走を始めました。劉璋の威信は低下しており、地域住民からの不満が高まっていました。趙韙はこの状況を利用して、民心を獲得し、事態の収拾を任されることとなりました。

反乱とその顛末

しかし、趙韙は劉璋に何度も諫言を行ったが、その都度聞き入れられないことに不満を抱くようになりました。これを受けて、彼は秘密裏に地域の豪族らと結託し、建安5年（200年）に反乱を計画しました。この反乱は蜀郡、広漢郡、犍為郡の三郡が連動する規模の大きなものでありました。

建安6年（201年）、趙韙は劉璋の拠点である成都城を包囲しましたが、期待した通りには事が運びませんでした。東州兵は趙韙を恐れ、命がけで戦ったため、彼の軍は撃退されてしまいます。その後、趙韙は追撃を受け、江州県まで逃げましたが、彼の部下であった龐楽や李異が裏切り、最終的には趙韙は斬られる運命となりました。

結論

趙韙の生涯は、後漢時代の政治と軍事の複雑さを象徴するものです。彼の行動は、地域の政治状況に大きな影響を与えた一方で、最終的には悲劇的な結末を迎えました。彼の物語は、当時の権力闘争や人間関係の難しさを浮き彫りにしています。

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