遊佐就家

遊佐就家：戦乱の時代を駆け抜けた河内守護代

遊佐就家（ゆさ ひろいえ/なりいえ）は、室町時代後期から戦国時代にかけての武将です。河内国の守護代を務め、総州畠山氏に仕えました。

生涯

遊佐氏は代々、河内守護代を務める家柄でした。しかし、享徳4年（1455年）に畠山持国が亡くなると、畠山義就（後の総州畠山氏）と畠山政長（後の尾州畠山氏）の間で家督争いが激化します。

若江城の城主であり、河内守護代であった遊佐国助は畠山義就を支持し、同族でありながら畠山政長を支持する遊佐長直らと戦いました。当初は義就方が優勢でしたが、長禄4年（1460年）5月の紀伊国での根来衆との戦いで、義就方の遊佐盛久、神保父子、木沢某らが戦死。同年10月の大和国龍田城攻めでは、更に遊佐国助、誉田金宝、誉田祥栄、甲斐庄某らが戦死し、畠山義就は劣勢となり河内へ落ち延び、嶽山城に籠城しました（嶽山城の戦い）。

寛正4年（1463年）、ついに嶽山城が陥落すると、畠山義就は高野山、紀伊、吉野へと逃れ、応仁元年（1467年）に応仁の乱が勃発します。応仁2年（1468年）の義就奉行人連署奉書には、木沢助秀、斎藤宗時、遊佐盛貞、誉田就康とともに遊佐就家の名が見られ、戦死した遊佐国助に代わり、遊佐家の筆頭としてその名が現れます。

就家は遊佐氏を率い、応仁の乱、若江城の戦い、犬田城の戦いなど、遊佐長直との合戦を戦い抜きました。延徳2年（1490年）に畠山義就が死去すると、跡を継いだ畠山基家を後見しました。明応6年（1497年）11月には、基家とともに討死したという説もありますが、実際には無事でした。

文亀2年（1502年）には、遊佐盛貞の子である就盛が河内守を名乗っており、この頃までに就家は亡くなったと考えられています。

遊佐就家は、畠山氏の家督争いから応仁の乱という激動の時代を、河内守護代として生き抜きました。彼が率いた遊佐氏は、畠山氏を支え、河内の地で勢力を保ち続けたのです。

参考文献

川岡勉「河内国守護畠山氏における守護代と奉行人」『愛媛大学教育学部紀要. 第II部人文・社会科学』第30巻第1号、松山 : 愛媛大学教育学部、1997年9月、29-40頁
呉座勇一『応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱』中央公論新社〈中公新書〉、2016年。ISBN 978-4-12-102401-5
* 馬部隆弘「畠山家における奉書の展開と木沢家の出自」『大阪大谷大学歴史文化研究』第17号、大阪大谷大学歴史文化学科、2017年3月、150-134頁

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