達奚武

達奚武について

達奚 武（たつけい ぶ、504年 - 570年）は、中国の西魏から北周にかけて活躍した優れた軍人である。彼の本貫は代郡で、字は成興であった。

生い立ちと初期の経歴

達奚武は北魏の汧城鎮将、達奚長の子として誕生した。父の下で彼は軍事的な教育を受け、自身も軍人としての道を歩むこととなる。若い頃から非凡な才能を示し、賀抜岳に従い別将に任じられると、関中に進出した。

戦場での功績により、羽林監や子都督の地位を得る。賀抜岳が侯莫陳悦に殺害された際、達奚武は彼の遺体を収容する役割を果たし、後に宇文泰を後継者として立てる。彼は宇文泰の信任を受け、戦功により中散大夫や都督に任ぜられた。

勇猛果敢な戦闘

達奚武は、数々の戦闘で驚異的な成果を上げ、特に宇文泰と共に侯莫陳悦を討ち取った点が評価される。535年には東秦州刺史として出向し、その後も数々の戦役で重要な役割を果たした。特に高歓との戦闘では、彼の指揮の下で敵の兵力を打ち破り、大将軍に昇進した。

538年、宇文泰が洛陽を救うために出陣した際には、達奚武が1000騎を率いて先鋒を務め、李弼と共に敵を撃破した。また、その後も高陽郡公に任命され、さらなる地位を得る。

南征と大勝

551年、達奚武は南朝梁に対して大規模な南征を行った。その戦で、南朝梁の将軍を降し、さらには南鄭を包囲し、敵に降伏を余儀なくさせる。彼の巧みな戦略により、蜀軍を敗走させ、領域を広げることに成功した。この成功を受けて、翌年には凱旋し、朝廷から高い地位を与えられることとなった。彼は決して自己の手柄を誇示せず、謙虚な姿勢で自身を律した。

晩年と死去

557年、北周の孝閔帝が即位した際には柱国や大司寇に任命され、さらなる名声を得る。559年には大宗伯に昇進し、その影響力は増していった。563年には太保に任じられ、北周が東征を進める中でもその指導力を発揮。

568年、達奚武は太傅に転じ、570年10月には67歳でこの世を去った。その死後、彼は太傅、十五州諸軍事、同州刺史の地位を追贈された。彼の功績は後世に名を残し、彼に与えられた諡号は桓であった。達奚武には達奚震や達奚惎という子があり、達奚震がその後を継いだ。

結論

達奚武の生涯は、戦術や指導力、さらには戦争のさまざまな局面での活躍によって彩られている。彼の戦略や指導力は、後の時代においても評価され続け、中国史における重要な人物の一人として記憶されている。彼の功績を振り返ることは、当時の中国の歴史を理解する上でも非常に重要である。

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