金山神社 (川崎市)

金山神社（かなやまじんじゃ）

金山神社は、神奈川県川崎市川崎区にある若宮八幡宮の境内社であり、「かなまら様」という通称で親しまれています。毎年4月の第一日曜日に開催される「かなまら祭」は、性に関するユニークな祭として国内外から注目を集めています。また、11月1日には鍛冶職人や金属関係者が集まる「鞴祭神符授与祭」も行われ、奉納舞神楽などが催されます。

概要

金山神社は、若宮八幡宮の本殿左側に鎮座し、鉱山と鍛冶の神である金山比古神と金山比売神の二柱を祀っています。「金山」と「金魔羅」（男根の意）の語呂が似ていることや、神話における神々の誕生譚、鍛冶の道具である鞴の動きが性行為を連想させることなどから、性神としての信仰を集めています。地元住民からは「かなまら様」と呼ばれ、親しまれています。

御神体は金属製の男根であり、このことが神社の特徴を際立たせています。

金山神社は、鉱山や鍛冶の神であると同時に、性の神としても信仰されています。そのため、鍛冶職人や金属を扱う商人、企業だけでなく、子授け、夫婦円満、性病治癒を願う人々からの信仰も篤く、特に子孫繁栄、夫婦和合、性病快癒、安産、下半身の病気治癒などに霊験があるとされています。近年では、エイズ除けを祈願する人も多く、不妊治療に携わる医療関係者や性風俗関連産業の関係者なども参拝に訪れます。境内には、様々な形状の男根が奉納されています。

金山神社は、もともと京浜急行電鉄川崎大師駅前にありましたが、京浜電気鉄道（現：京浜急行電鉄）がループ線を建設する際に、現在の若宮八幡宮境内に移されました。

現在の社殿は、鉄をイメージした黒色の鉄板で覆われた正六角形の建物で、内部には鍛冶の作業場が再現されています。鞴と炉が設置され、金床（インドのリンガ・ヨーニに似た形）が埋め込まれています。

伊勢町の伊勢社と大師駅前にあった稲荷社も合祀されています。

かなまら祭

「かなまら祭」は、近年観光用に作られた祭りであり、江戸時代の川崎宿の飯盛女たちが性病除けや商売繁盛を願った「地べた祭」が起源とされています。昭和40年代頃から、海外の民俗学者から注目されるようになり、1977年に「かなまら講」が結成され、祭りが盛大に行われるようになりました。男根神輿や仮装行列、大根削りなどの新しい祭事が取り入れられ、エイズ除けの祭りとして海外にも紹介されたことから、多くの観光客が訪れるようになりました。現在では、商売繁盛、子孫繁栄、安産、縁結び、夫婦和合などを願い、毎年4月の第一日曜日に開催されています。

神輿の行列は、「金棒 - 若宮祭祀舞 - 道中奉行 - 川崎古式消防記念会 - 大麻 - 塩撒き - 猿田彦（天狗） - 神官 - 御神酒（振る舞い酒） - 総代 - 来賓 - 参加者 - かなまら講 - かなまら舟神輿 - エリザベス神輿 - かなまら大神輿」の順で構成されます。一般参加者は仮装し、和服姿の観光客も多く見られます。境内には男根や女陰を模ったものが多数展示され、大根を削って作られた男根形・女陰形は神前に供えられます。男根や女陰の形をした餅や飴細工なども販売されています。近年では、周辺の飲食店が祭りにちなんだ特製料理を販売するなど、地域全体で盛り上がりを見せています。

神輿

かなまら祭では、「かなまら大神輿」「かなまら舟神輿」「エリザベス神輿」の3基の神輿が巡行します。

かなまら大神輿: 木製の男根が納められた最も古い神輿です。
かなまら舟神輿: 鉄製の男根が納められた神輿で、日立造船から寄贈されました。
* エリザベス神輿: ピンク色の巨大な男根が載せられた神輿で、女装クラブ「エリザベス会館」から寄贈されました。担ぎ手はエリザベス会館の女装者が中心で、「かなまら!でっかいまら!」という掛け声とともに巡行します。

トラブル

2015年の祭りでは、男性器を模したモニュメントに褌一丁で乗った参加者がいたため、神社側が不快感を示し、翌年以降はこのモニュメントの展示を取りやめました。しかし、2022年には客が跨らない形で展示が再開されました。

資料室

若宮八幡宮社務所二階の郷土資料室の一室が金山神社資料室となっており、性信仰や性玩具の資料が展示されています。

アクセス

京急大師線 川崎大師駅 南口から徒歩3分

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