鉄道少年団

鉄道少年団

鉄道少年団（Railway Children Association, 略称RCA）は、公益財団法人交通道徳協会とJR各社が中心となって運営する青少年団体です。鉄道を愛する少年少女たちが、鉄道に関する知識や公徳心を高め、健全な心身を育成することを目的としています。

概要

鉄道少年団は、鉄道を通じて社会貢献を果たすとともに、青少年たちの健全な成長を支援しています。団体活動を通して、協調性や責任感を養い、社会の一員としての自覚を促しています。活動は、研修やボランティア活動、レクリエーションなど多岐にわたります。

歴史

鉄道少年団の歴史は、1960年（昭和35年）に発足した「鉄道少年の会」に遡ります。当時の国鉄総裁であった加賀山之雄氏の提唱により、国鉄や交通博物館などの協力を得て誕生しました。

当初は、東京都内の少年グループが「鉄道少年の会」の分団として活動していましたが、1962年（昭和37年）に「鉄道少年団」と改称し、東京支部が発足しました。これを機に全国各地に支部が設立され、組織を拡大してきました。

1987年（昭和62年）の国鉄分割民営化後も、現行体制で運営が継続され、1989年（平成元年）には西日本旅客鉄道管内の組織を統括する西日本総支部が誕生しました。

綱領

鉄道少年団は、以下の目的、誓い、約束を掲げています。

目的

鉄道を愛し、知識を身につける。
公徳心を高め、社会に貢献する。
団体生活を通して、互いに助け合う心を養う。
健全な心身を育成する。

誓い

すべての人を友とし、互いに助け合う。
心と体をすこやかにする。
公徳心を高める。

約束

名誉を重んじる。
礼儀正しくする。
親切を尽くす。
規律を守る。
清潔と質素に努める。
約束を守る。
正直で誠実を旨とする。
人に迷惑をかけない。
正しいことには勇敢に臨む。
常に感謝の心を忘れない。

団員資格

鉄道少年団の趣旨に賛同する10歳から18歳（小学校4年生以上）の青少年が入団できます。入団希望者は、交通道徳協会または最寄りの鉄道少年団に申し込むことで手続きが可能です。

活動内容

活動内容は団によって異なりますが、主な活動としては以下のようなものがあります。

鉄道を通じた公衆道徳教育
JR研修施設での研修や勉強会
車内実践活動（車内放送、車掌業務体験、マナー向上呼びかけなど）
駅や列車、鉄道施設の清掃ボランティア
駅構内業務体験
団体行動訓練
新型列車の試乗会
車庫や工場見学
鉄道イベント参加
レクリエーション（キャンプ、スキーなど）
鉄道少年団交流キャンプ
赤い羽根共同募金、ユニセフへの協力

公徳キャンプ全国大会

毎年7月末から8月にかけて、全国の団が集まり開催されるキャンプ大会です。リーダー研修や団体行動訓練、講習を通じて各団の班長・リーダーを育成します。キャンプ生活やハイキング、野外炊飯などを通して団員同士の交流を深めます。

この大会は、1953年（昭和28年）に交通道徳協会主催の「公徳少年キャンプ」として始まり、名称を変えながらも継続されています。

広報「明るい旅」

交通道徳協会が発行する季刊広報誌です。鉄道少年団の活動や社会貢献活動、鉄道沿線の歴史や文化などを紹介しています。約15,000部が発行され、鉄道少年団員、交通道徳協会会員、学校、交通関係企業などに配布されています。

全国の団一覧

2017年（平成27年）4月時点で、全国に48団が存在しています。各団は各支部に所属していますが、JR西日本管内の支部は西日本総支部に所属しています。

関連団体

交通道徳協会
札幌鉄道少年団
ボーイスカウト
ガールスカウト
子供会
海洋少年団
スポーツ少年団
ウクライナ鉄道#子供鉄道
子供鉄道

外部リンク

鉄道少年団（公益財団法人交通道徳協会内サイトより）
鉄道少年団の活動：JR西日本　(西日本総支部)

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