長野原町

長野原町の概要

長野原町は、群馬県の北西部に位置する吾妻郡の町です。町の大部分が標高500m以上の高地にあり、北部は吾妻川流域、南部は浅間高原地帯に属しています。周囲を山々に囲まれ、火山性の土壌が特徴的です。特に浅間山の火山活動の影響を受けており、火山灰や砂礫が堆積しています。

地理

長野原町は、北に草津白根山、南に浅間山を望む山岳地帯に位置しています。そのため、町の地形は起伏が激しく、平坦な場所は限られています。吾妻川とその支流が町内を流れ、急流による侵食で河岸段丘が形成されています。この河岸段丘上に集落が点在しています。また、町内東部には八ッ場ダムがあり、ダム湖である八ッ場あがつま湖が広がっています。

主な山としては、鼻曲山、浅間隠山、駒髪山などがあり、河川は吾妻川をはじめ、白砂川、久森沢川などが流れています。

気候

長野原町の気候は、標高の高さと日本海に近いことから、中央高地気候と日本海側気候の中間的な特徴を示します。町内でも標高差が大きいため、北部と南部で気温が異なります。南部は標高1000m以上の高原地帯で、年平均気温は7～8度と冷涼です。冬は-20度以下まで気温が下がることもあり、夏でも30度を超えることは稀です。そのため、避暑地としても利用されています。一方、北部は標高が低く、平均気温は南部より2～3度高くなっています。

年間降水量は1200mmから1500mm程度で、関東地方の平野部と大きな差はありません。

歴史

先史時代

長野原町では、新石器時代の遺跡や遺物が数多く発見されています。これらの遺跡は主に山稜地帯に集中しており、これは1783年の浅間山天明大噴火による泥流で低地が埋没したためと考えられています。石器や土器が出土しており、当時の人々の生活をうかがい知ることができます。

古墳時代

古墳時代の遺跡は、町内では3基の円墳しか確認されていません。これは、浅間山の泥流や地形的な要因で、多くが失われたためと考えられます。

奈良・平安時代

奈良・平安時代のものと見られる瓦塔の一部が発掘されています。しかし、その全体像は不明なままです。

鎌倉時代から室町時代

この時代の長野原町に関する史料は、ほとんど残っていません。

源頼朝の巻狩伝説

長野原町を含む西吾妻一帯には、源頼朝が巻狩に訪れたという伝説があります。しかし、史料を精査すると、実際に頼朝がこの地を訪れたという確証はありません。ただ、このような伝説が古くから存在していたという事実は残っています。

長野原町の誕生

現在の長野原町は、明治22年に10の町村が合併して誕生しました。この合併以降、他の町村との合併を行っていない珍しい自治体です。また、町制施行時から合併をしていない自治体は全国的にも少なく、長野原町は貴重な例と言えます。

平成30年には、町役場が新庁舎に移転しました。

行政

長野原町の町長は、初代の桜井伝三郎から現在の萩原睦男まで、多くの町長がその任を担ってきました。また、町内には長野原警察署、吾妻広域消防本部西部消防署長野原分署などの行政機関があります。

地域

長野原町は、長野原、大津、羽根尾など11の大字で構成されています。また、北軽井沢地区は、避暑地として知られています。

経済

町内には、ショッピングセンターのレクスがあり、スーパーや衣料品店、ホームセンターなどが営業しています。

教育

町内には、県立長野原高等学校、長野原中学校、中央小学校、浅間小学校があります。また、北軽井沢地区には、跡見学園女子大学の研修所があります。

交通

鉄道は、JR吾妻線が町内を走っており、川原湯温泉駅、長野原草津口駅、群馬大津駅、羽根尾駅があります。長野原草津口駅が町の中心駅です。また、路線バスや高速バスも利用可能です。

道路は、国道144号、145号、146号が交わる羽根尾交差点が有名です。この地点は3つの連番国道が交わる珍しい場所として知られています。

観光

長野原町には、川原湯温泉、八ッ場あがつま湖、やんば天明泥流ミュージアムなど、多くの観光スポットがあります。また、湯かけ祭りなどの祭事も行われています。

人物

長野原町出身の著名人としては、将棋棋士の桜井昇、歴史学者の萩原進がいます。また、元スキーノルディック複合選手の荻原健司は、長野原高校の卒業生です。

脚注

[注釈]

関連項目

当初から廃置分合を行った事のない市町村の一覧
八ッ場ダム

外部リンク

公式ウェブサイト
地図 - Google マップ

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