長崎カトリック神学院

長崎カトリック神学院

長崎カトリック神学院は、長崎県長崎市に位置するカトリック教会の神学校です。1875年にパリ外国宣教会のベルナール・プティジャン神父によって設立され、当初は長崎公教神学校という名称でした。1989年に現在の名称に変更されています。

歴史

設立と初期

設立当初の校舎は大浦天主堂に隣接しており、講義はラテン語で行われていたため、「羅典神学校」とも呼ばれていました。信徒発見後もキリシタン弾圧が続いていた時代、プティジャン神父は大浦天主堂の司祭館を改造し、秘密の部屋でミサを行うとともに、将来の日本人司祭育成のための教育を行いました。これが長崎公教神学校の前身となります。

移転と発展

1875年、キリシタン禁制の高札が撤廃されたことを受け、大浦天主堂の隣に長崎公教神学校が開かれました。その後、生徒数の増加に伴い、1925年には長崎市小峰町（現在の聖フランシスコ病院の位置）に浦上校舎が建てられ移転しています。1927年には、早坂久之助神父が長崎司教に叙階され、長崎がパリ外国宣教会の管轄から邦人司牧区に移ったことで、神学校の運営も長崎司教区（現・長崎大司教区）に移管されました。

その後、1930年に元の場所へ、1931年には長崎市東山手（旧東山学院の土地・建物）へ、1940年に再び元の場所へと移転を繰り返しました。1952年には浦上天主堂近くの長崎市橋口町（現在のカトリック長崎大司教館の位置）に移転し、1989年に隣接する現在地に移転、同時に長崎カトリック神学院と改称しました。

現在の役割

開校当初は入学から司祭叙階までの全課程を担っていましたが、現在は大神学校（日本カトリック神学院）に入る前の中学生・高校生の指導・教育を行っています。生徒は寮で共同生活を送りながら長崎南山中学校・高等学校に通い、修了後は原則として長崎市内の大学に進学、卒業後に日本カトリック神学院へ進むことになります。そのための寄宿・学習施設として、カトリック長崎大司教区により「長崎コレジオ」が設けられています。

かつては長崎県とその周辺地域からの入学者が中心でしたが、現在では国内唯一の中高生対象のカトリック小神学校として、日本全国から司祭を目指す若者を受け入れています。

旧羅典神学校

現在、大浦天主堂の敷地内に現存する初代校舎は、1875年にマルク・マリー・ド・ロ神父によって設計・建設されました。現在はキリシタン関連の資料館として利用されており、1972年に「旧羅典神学校」として国の重要文化財に指定されています。また、かつてはユネスコ世界遺産暫定リストに掲載された「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の構成資産に含まれていましたが、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」として世界遺産に登録された際には除外されています。

所在地

〒852-8144
長崎県長崎市橋口町10-7

関連情報

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